ハイキビの種子稔性からみたギニアグラスとの交雑の可能性

タイトル ハイキビの種子稔性からみたギニアグラスとの交雑の可能性
担当機関 沖縄県畜産試験場
研究期間 2000~2003
研究担当者 稲福政史
奥村健治
蝦名真澄
幸喜香織
発行年度 2003
要約  沖縄から宮崎の広い地域から収集したハイキビは種子の着粒がみられないことから、種子繁殖性のないことが示唆され、ギニアグラスとの雑種形成による遺伝子の拡散の可能性は極めて低い。
キーワード ハイキビ、ギニアグラス、組換え体、雑種、遺伝子拡散、飼料作物育種
背景・ねらい  組換え体の開放系利用に当たっては、自生する近縁植物へ雑種を通した組換え遺伝子の拡散、そして雑種植物およびその後代による生態系のかく乱が危惧されている。一方で、組換え技術の適用は従来の育種法では改良できなかった形質を改良できるため、暖地型イネ科牧草であるギニアグラス(Panicum maximum Jacq.)では草地造成時の雑草との競合性や消化性等品質の向上のために期待されている。しかし、同属のハイキビ(Panicum repens L.)が沖縄県ではほぼ全域、さらに、四国、九州から東南アジア、そして旧大陸と幅広く分布するため、同属のギニアグラスの組換え体が将来開発、利用された場合、ハイキビとの雑種を通じた遺伝子の拡散の可能性についての知見が必要である。
成果の内容・特徴 1.
沖縄本島本部半島周辺地域から収集した系統の着粒および穂の形態は、収集地点により穂の大きさおよび小花数に差がみられるものの、いずれの系統も種子の着粒は認められない。(表1)2.
沖縄県内および宮崎県から収集した9系統について柱頭と子房の形態は、ともに正常な形態をもつ小花の割合は13%で、残りの小花では褐変や萎縮、退化が認められる。(表2)3.
また、正常な形態をもつ柱頭と子房の大きさは,褐変したものに比べてやや小さい。一方、ギニアグラスではすべての小花の柱頭と子房は正常な形態である。(図1)4.
花粉稔性においては、ギニアグラスが80%の稔性を示したのに対して、無作為に選んだ13系統のハイキビでまったく充実した可染花粉がみられず、不稔である。(表3)
成果の活用面・留意点  ハイキビは一部の収集地域の個体間でDNAマーカーの多型がみられることから、極めて低頻度あるいは特殊な条件で種子繁殖が起こっている可能性がある。

カテゴリ 病害虫 育種 きび 雑草 飼料作物 DNAマーカー 繁殖性改善

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