タイトル | 小型GPSによる小規模草地の面積、外周距離及び配置図の簡易測量 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 東北農業研究センター |
研究期間 | 2002~2005 |
研究担当者 |
菅野 勉 東山由美 梨木 守 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 小型GPSは外部アンテナを取り付けることで測量精度が改善でき、小規模草地の面積、外周距離の測量が巻尺による距離測量と同水準でより簡単に行え、また、巻尺による測量では難しい草地配置図の作成のための測量も容易にできる。 |
キーワード | GPS、草地、簡易測量、放牧、永年草地・放牧 |
背景・ねらい | 草地の面積、外周距離、配置、形状等の土地情報は、放牧草地の造成や草地の管理・利用に不可欠である。特に中山間地にある耕作放棄地は公図等が未整備なため、草地化に当たって土地情報を得るには新たに測量が必要となることが多い。草地において、高精度を求めず手軽に測量したい場合に使われてきた巻尺による直接距離測量は、対象が放棄地のような段差や測点間に障害物がある地形では多労で、また分散地の位置関係を測ることも難しい。最近、各種の安価な小型GPS(GPS簡易型受信機)が市販されその活用が考えられる。しかし、小規模な草地等を対象とした時の測量精度などは不明である。そこで小型GPSが草地の面積、外周距離の測量や配置図の作成に有効に、かつ実用的に使えるかを巻尺による測量と比較して明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 草地内の距離を小型GPSに外部アンテナを付加して測量(以下小型GPS測量)すると単体(内蔵アンテナ)で測量するよりも距離のズレが少ない(写真1、表1)。また測量精度を示す平均二乗誤差は外部アンテナ使用時には0.80m(国土調査の精度区分の乙三(山林・原野の区域)に該当する、国土調査法施行令別表第五より)で、単体の1.62mに比べ精度が改善する(表1)。 2. 小型GPS測量による対象草地の面積及び外周距離の実測値を巻尺による測量値と比較すると、面積は巻尺の98.7%、外周距離は99.7%であり、両者の測量結果は、草地面積や外周距離の値に有意差はなく同じ水準である(表2)。 3. 小型GPS測量による草地の位置は航空写真の判読による位置とほぼ一致し、草地の位置や形状の分かる簡易な草地の配置図が得られる(図1)。 4. 小型GPS測量の操作は草地外周上の角かどを測点にし、緯度、経度の測位値を記録するだけであり、測量は一人でできる。1測点5反復測位に要する時間は15秒程度である。草地面積等の算出及び図化は測位値を特別なソフトでなくても表計算ソフトなどで処理することで得られる。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 草地利用計画の立案や管理・利用に十分な土地情報を簡易に得る測量に使える。 2. 傾斜地の草地の面積は実面積より小さくなる。GPS測量には外部アンテナが揺れない風のない条件で行う。また機種により測定精度が異なることがある。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | 傾斜地 GPS 中山間地域 |