タイトル | 食品残さ発酵リキッド飼料とビタミンE給与による豚肉の生産 |
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担当機関 | 飼料調製研究室 |
研究期間 | 2002~2004 |
研究担当者 |
三津本 充 佐々木啓介 佐伯真魚 川島知之 藤田泰仁 蔡 義民 久保長政(福井畜試) 山内直子(鳥取中小畜試) 高橋巧一((株)フードエコロジーシステム) 饗庭 功((株)フードエコロジーシステム) |
発行年度 | 2004 |
要約 | 食品残さを原料とした発酵リキッド飼料を肥育豚に給与すると、従来の配合飼料と同等の肥育成績を示し、配合飼料を代替することが可能である。この発酵リキッド飼料にビタミンEを添加することにより、生肉色が鮮やかな豚肉を生産することができる。 |
キーワード | ブタ、乳酸菌、食品残さ、発酵リキッド飼料、豚肉、畜産物・品質 |
背景・ねらい | 現在の飼料自給率は25%にすぎず、食品廃棄物のうち飼料として利用できるものについては、その飼料化が強く望まれている。そこで、多様な食品残さの発酵リキッド飼料と抗酸化作用のあるビタミンEを肥育豚に給与し、肥育成績と肉質保持に及ぼす影響を調べることにより、地域の未利用資源の活用と良質な食肉の生産技術の開発を目的とする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 食品加工業者や外食産業からの食品残さを破砕し、水と混合後、高圧ボイラーによるスチームジャケット(100℃)殺菌を行った液状(リキッド)飼料を畜産草地研究所へ搬入し、乳酸菌等の4種の混合スターター培養液を各1リットルずつ添加し、35~40℃で1晩発酵させたリキッド飼料を用いる(写真)。 2. 交雑種の肥育豚(去勢6頭、雌6頭)を用い、上記の発酵リキッド飼料あるいは肥育用配合飼料(表1)を給与する際に、ビタミンE(1500mg/日)を添加するあるいは添加しない処理を組み合わせた区を設けて、と畜前6週間毎日給与すると、発酵リキッド飼料給与区の日増体重は約870g/日であり、配合飼料給与区と同等の枝肉性状を示し、内臓重量は減少する。 3. ビタミンEを添加給与すると生肉の鮮やかさ(彩度)が保たれ(図1)、加熱肉の脂質酸化が抑えられる(図2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 発酵リキッド飼料給与は配合飼料給与に比べて不飽和脂肪酸が増加しやすく、飼料中の多価不飽和脂肪酸が多い場合には軟脂となるので注意する必要がある。また、発酵リキッド飼料を給与することによる肉の脂質酸化の促進が懸念され、それを防ぐためにはビタミンEの添加給与が有効である。 2. 食品残さの発酵リキッド飼料は輸入穀類飼料の代替飼料として利用できる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
図表5 | ![]() |
カテゴリ | 加工 肉牛 豚 未利用資源 |