タイトル | 緑茶飲料残渣サイレージは泌乳牛用飼料として活用できる |
---|---|
担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 畜産草地研究所 |
研究期間 | 2002~2004 |
研究担当者 |
塩谷 繁 額爾敦巴雅爾 細田謙次 松山裕城 西田武弘 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 緑茶飲料残渣サイレージは、乾物中のTDN、可消化エネルギーおよび代謝エネルギー含量がそれぞれ69.8%、13.0MJ/kg、10.5MJ/kgで、乳量30kg程度の泌乳牛のTMR乾物中5%程度配合できる。 |
キーワード | 緑茶飲料残渣、サイレージ、TMR、飼料利用、乳用牛 |
背景・ねらい | 緑茶飲料の生産量は、2000年の101万klから2003年の178万klへと年々増加しており、それに伴い残渣の排出量も増大していると推定される。緑茶飲料残渣は、サイレージ調製することにより、家畜用飼料としての利用が期待されるが、牛におけるその栄養価は不明である。また、緑茶飲料残渣サイレージの採食性は飼料給与方式により左右され、分離給与の場合、選択採食が認められ、給与した緑茶飲料残渣サイレージのほとんどが摂取されない場合も見受けられる。そこで、緑茶飲料残渣サイレージの牛における栄養価を求め、TMR給与方式での泌乳牛への適正給与割合を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 緑茶飲料残渣サイレージ乾物中のTDNが69.8%、可消化エネルギーが13.0MJ/kg、代謝エネルギーが10.5MJ/kgである(表1)。 2. 泌乳中期ホルスタイン種乳牛の緑茶飲料残渣サイレージを乾物比で0、5、10および15%含有する4種類TMR(表2)に対する自由採食量(乾物kg/日)は、それぞれ26.7、25.2、24.2と20.7であり、0%に比べ5%と10%給与で差はないものの、15%で有意に減少する(表3)。 3. 乳蛋白質率と乳脂率は、緑茶飲料残渣サイレージ給与の影響を受けないが、乳量および乳糖率は、乾物摂取量と同様にTMR中への緑茶飲料残渣サイレージの配合割合が10%を超えると有意に減少する(表3)。 4. 上記2および3から、緑茶飲料残渣サイレージは、乳量30kg程度の泌乳牛用TMRの飼料素材として利用でき、乾物比5%程度の配合で、乳量、乳成分に影響しない。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 緑茶飲料残渣サイレージは、民間TMRセンターで利用の意向があり既に試験的利用が行われているが、その際、泌乳牛への給与量算定の根拠となる。 2. 緑茶飲料残渣サイレージは、乳酸菌とセルラーゼを添加して調製したものである。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 茶 乳牛 |