タイトル | C1化学変換におけるバイオマスのガス化時の含有重金属の挙動 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 畜産草地研究所 |
研究期間 | 2002~2004 |
研究担当者 |
一ノ瀬利光 三菱重工(株)) 小林 真 松本啓吾(以上 松本慎治 武野計二 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 重金属等有害物質を含むバイオマスを原料とした場合に備えて、ガス化時の挙動把握を行った。砒素・クロム・銅・カドミウムはガスに含有されることなく固体・液体として排出され、所定の廃棄処理法で対応可能である。 |
キーワード | 飼料作物、農林バイオマス1号機、バイオマス、重金属、飼料作物開発 |
背景・ねらい | 植物由来バイオマスをガス化し約50%の収率でメタノールに変換できるC1化学変換法が注目されている。原料として、過去30年間に約30万m3/年が生産され木造建築の土台に使われてきた、CCA(Cr, Cu, As)剤による防腐処理を行った建築廃材(CCA材)や、国が買い上げて保管している約1.5万tのCd汚染米(Cd0.4ppm以上)を用いることも検討されている。これらを原料とする場合に備え、重金属等有害物質のガス化過程における挙動を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. CCA廃材ではCr、Cu、Asの含有量が高い。Cd汚染米のCd量は特定有害産業廃棄物には該当しないレベルである(表1)。 2. 農林バイオマス1号機(240kg/日規模バイオマスガス化メタノール製造試験装置)を用いたガス化試験では、AsとCdは熱交換器内、CrとCuはサイクロンから排出される灰分、に過半が配分・排出され、精製ガスには全くまたはほとんど含有されない(図1)。これは国内排水基準・欧州排ガス規準に照らしても問題ないレベルである。 3. 排水、懸濁固形物、灰分及び熱交換機付着物質は、所定の対策を講じることによって排水基準値等に抵触せずに廃棄が可能である。 4. ダイオキシンは精製ガスに0.0018ngTEQ/m3の濃度で含有されるが、ダイオキシン類対策特別措置法が定める廃棄物焼却炉(4t/h以上)の排出規制値(0.1ngTEQ/m3)を大幅に下回っており、問題ない。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 有害物質含有バイオマスを原料として長期運転した場合、プラントの解体時の廃棄コストを検討する必要がある。 2. Cd汚染米はP含量が高いため、排水基準値10mg/lを達成するためにはガス水洗装置からの排水の処理が必要である。Cr、Cu、Asについては、排水には懸濁物質の分離回収及びAsとCuの処理が、懸濁固形物及び灰分には溶融固化処理による無害化処理が、熱交換機内への付着分は点検・交換時の廃棄処理が有効かつ必要である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
カテゴリ | コスト 飼料作物 |