エンドファイトの人工感染によるイタリアンライグラスの耐虫性の向上

タイトル エンドファイトの人工感染によるイタリアンライグラスの耐虫性の向上
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2002~2005
研究担当者 柴 卓也
佐々木亨(日本草地畜産種子協会)
笠井恵里(日本草地畜産種子協会)
神田健一
発行年度 2004
要約 イタリアンライグラスへの有用エンドファイト(Neotyphodium uncinatum)の人工感染により、アカヒゲホソミドリカスミカメ孵化幼虫の選好性および生存率が低下する。この現象は葉および穂で認められる。
キーワード エンドファイト、イタリアンライグラス、耐虫性、虫害、イネ科牧草
背景・ねらい イネ科植物の共生糸状菌(エンドファイト)が共生する植物は、病害虫抵抗性や環境ストレス耐性が優れていることが知られている。ほとんどのエンドファイトは家畜に対して毒性がある特定のアルカロイドを産生するが、家畜に毒性を示さないエンドファイトも見いだされてきている。このような家畜に無害で、かつ、宿主植物の特性を向上させる有用エンドファイトを人工的に感染させることで植物の能力を向上させることが可能である。そこで、家畜毒性を示さない有用エンドファイト(Neotyphodium uncinatum)を人工感染させたイタリアンライグラス育種素材について、重要害虫アカヒゲホソミドリカスミカメへの耐虫性の向上程度を評価する。
成果の内容・特徴 1.
N.uncinatumが感染したイタリアンライグラスは、非感染株と比較して、アカヒゲホソミドリカスミカメへの耐虫性が優れる。
2.
感染葉を吸汁したアカヒゲホソミドリカスミカメ孵化幼虫は、生存率が低下する。12日後の生存率は非感染葉では86%であるが、感染葉では48%に低下する。穂を用いた試験でも感染植物における生存率の低下(感染38%、非感染92%)が認められる(図1、図2)。
3.
アカヒゲホソミドリカスミカメ孵化幼虫は感染植物への選好性が低い。感染および非感染植物を与えた場合、多くの個体が非感染植物を餌として選択する。この現象は葉と穂で認められる(図3)。
成果の活用面・留意点 1.
カメムシ抵抗性に優れたイタリアンライグラスの育成への有用な情報となる。
2.
本データは室内試験の結果に基づく。
図表1 227001-1.gif
図表2 227001-2.gif
図表3 227001-3.gif
カテゴリ 育種 イタリアンライグラス 害虫 カメムシ 抵抗性

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