養分充足し粗飼料比の異なる給与条件での牛の牧草と野草の選択摂食

タイトル 養分充足し粗飼料比の異なる給与条件での牛の牧草と野草の選択摂食
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2003~2005
研究担当者 小迫孝実
深澤 充
塚田英晴
発行年度 2004
要約 エネルギー(TDN)や蛋白質、繊維質などの栄養素が充足した状態では、牛は繊維質成分のアンバランスに対して、同程度の乾物摂取量の中で繊維質成分を補完的に摂取できるように牧草と野草を選択摂食する。
キーワード ウシ、放牧、牧草、野草
背景・ねらい 牛は栄養素が充足している場合でも、生来的に多種多様な摂食植物を探し求めることが知られている。したがって休耕田等を利用した小規模人工草地放牧に、多様な植生を含んだ林地や野草地を組み合わせて自由な選択摂食を可能にする放牧方式は、国土の有効利用に加え家畜福祉性の向上が期待できる。しかし、組み合せ草地の利用性やそこでの家畜の生産性を知るためには、必要な栄養素を充足した上でどのように牛が選択摂食するのかを理解する必要がある。本研究ではエネルギー(TDN)や蛋白質、繊維質などの栄養素が充足した状態で、牛が牧草と野草をどのように選択摂食するかを実験的に解析する。
成果の内容・特徴 1.
黒毛和種雌牛3頭を用いて、TDN粗飼料比を3段階に変えた基礎飼料(表1)をTDNやCP等の要求量を満たすように7日間給与する。その後に蛋白質含量が低く繊維質含量の高いススキ(JP:CP10%、ADF37%、NDF76%)と蛋白質含量が高く繊維質含量が低いオーチャードグラス(OG:CP20%、ADF33%、NDF62%)を用いたカフェテリア方式による選択摂食試験(6時間)を実施する。
2.
基礎飼料間で全体の摂食量は変わらないが、TDN粗飼料比が高くなるほどJPが全乾物摂食量に占める割合は低くなる(図1)。
3.
繊維質の摂取率は基礎飼料によって異なり、基礎飼料のTDN粗飼料比が低くなると繊維質を効率よく摂取できるように選択摂食する(表2)。一方、蛋白質摂取に関しては基礎飼料間で違いは見られない。
4.
これらのことから、エネルギーや栄養素が必要量を満たした状態では、牛は繊維質成分のアンバランスに応じて、繊維質の摂食効率を変えるように牧草と野草を選択摂食する。
成果の活用面・留意点 1.
放牧地での選択摂食を解明するための基礎的知見となる。
図表1 227002-1.gif
図表2 227002-2.gif
図表3 227002-3.gif
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