放棄された水田放牧草地におけるカメムシ類の多発生

タイトル 放棄された水田放牧草地におけるカメムシ類の多発生
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2003~2005
研究担当者 柴 卓也
神田健一
発行年度 2004
要約 放棄された水田放牧草地はイネ科草種が繁茂し、それらを餌資源としてアカヒゲホソミドリカスミカメ等のカメムシ類が多発生する。
キーワード 水田放牧、水田、カメムシ類、虫害、イネ科牧草
背景・ねらい 水田の放牧利用は遊休水田の有効活用や荒廃防止などの目的で行われるが、周辺には稲作や野菜の栽培が行われていることが多く、それらの作物との共通害虫の発生が懸念される。牛の採食等により牧草類が短く維持されていれば、周辺作物に影響を及ぼすような害虫の多発生はおこらないが、利用放棄などでイネ科草種が繁茂した場合、それらを好適な餌とする害虫が増殖する可能性がある。そこで、放棄された水田放牧草地(2003年10月まで放牧地として利用)において発生する害虫の種類や個体数を明らかにし、水田の放牧利用が周辺環境に及ぼす影響を評価するための資料とする。
成果の内容・特徴 1.
放棄された水田放牧草地では、放棄前に優占していたイタリアンライグラス、レッドトップ、ケンタッキーブルーグラス、イネ科雑草などが繁茂した(図3左)。
2.
放棄された水田放牧草地では、イネの重要害虫であるカメムシ類の生息密度が極端に高い(図1)。
3.
放棄された水田放牧草地で認められたカメムシ類の9割以上はアカヒゲホソミドリカスミカメ(図3右)等のカスミカメ類である(図2)。
4.
水田及び水田畦畔では、害虫の生息地となる雑草がしっかりと管理されており、害虫の発生はほとんど認められない(図1)。
5.
放牧地として利用していた土地をそのまま放棄した場合、イネ科草種が繁茂しカメムシ類の多発生につながる可能性がある。イネのステージによってはカメムシ類が水田に侵入する危険があるので、水田に隣接する放牧地では利用放棄しないよう注意する必要がある。
成果の活用面・留意点 1.
水田の放牧利用が周辺環境に及ぼす影響を評価するための資料となる。
2.
栃木県大田原市での調査結果に基づく。
図表1 227011-1.gif
図表2 227011-2.gif
図表3 227011-3.jpg
カテゴリ 病害虫 イタリアンライグラス 害虫 カメムシ 雑草 さやいんげん 水田

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