タイトル | 耕作放棄地の分布とその草地資源としての評価 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 畜産草地研究所 |
研究期間 | 2003~2004 |
研究担当者 |
佐々木寛幸 神山和則 松浦庄司 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 全国に分布する耕作放棄地と考えられる土地の面積を都道府県別に集計した。各放棄地の分布する地点の気象条件から、それが草地として利用された際の潜在的な草地生産力を推定した。 |
キーワード | 牧草、イネ科牧草、永年草地 |
背景・ねらい | 1980年代から耕作放棄地が急速に増加している中、その放牧利用が広がっているが、全国的な利用可能面積や潜在生産量は明らかになっていない。 過去の調査で耕地(水田または畑)であり、現在は林地とされている所は現在耕作放棄地である可能性が高い。このような所は一般の森林に比べて少ない労力で畜産的利用が可能となると予想される。そこで、土地利用の変動を解析し、耕作放棄地の潜在的な草地資源としての評価を行う。 |
成果の内容・特徴 | 1. 過去の国土数値情報の1/10細分メッシュ(約100m×100m)から、1976年には耕地であったが、1997年には林地となったメッシュを抽出する。この面積と、農林センサス(1995年)の耕作放棄面積との関係を解析すると、1%水準で有意な相関がある。 2. 各地点の属する草地地帯区分を寒地型地帯、暖地型地帯、両者とも永続できない夏枯れ地帯のいずれかに決定し、それぞれの地点におけるメッシュ気候値2000(気象業務支援センター)から、ニューラルネットワークモデルで各牧草の生産力を算出できる。都道府県別に集計すると(表1)、寒地型牧草(オーチャードグラスまたはトールフェスク)の栽培可能面積は全国で11万ha以上、潜在的な乾物生産量は150万ton以上となる。暖地型牧草(バヒアグラス)の場合は面積3万haで生産量75万tonとなる。両者を合わせると、永年草地としての面積は14万ha、乾物生産量は最大で229万tonと推定される。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 草地資源として利用可能な面積と生産量が都道府県別に把握でき、自給率向上政策立案のための基礎資料として活用できる。 2. 牧草生産力は平年の気象条件のもとで一般的な採草地として管理した場合の潜在生産量である。 3. 耕作放棄面積は1995年の統計値を基にしており、現在ではさらに増加している。 |
図表1 | |
カテゴリ | 寒地 水田 |