離乳子豚に発酵乳を給与すると一日当たり飼料摂取量と増体量は向上する

タイトル 離乳子豚に発酵乳を給与すると一日当たり飼料摂取量と増体量は向上する
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2002~2004
研究担当者 高田良三
勝俣昌也
成田卓美
石田藍子
村上斉
大塚誠
発行年度 2005
要約 余剰牛乳に乳酸菌を接種して発酵乳を調製し、それを離乳子豚に給与すると一日当たり飼料摂取量、増体量が著しく向上し、飼養成績が改善される。また、発酵乳の消化率も市販豚用人工乳に対して優れる。
キーワード 家畜栄養、発酵乳、離乳子豚、消化率、ブタ
背景・ねらい  近年、食糧自給率向上を目指して様々な取り組みがなされており、そのうち未利用資源の有効利用も重要な課題の1つである。そこで、賞味期限切れの牛乳や余剰牛乳等の有効利用を目的として、貯蔵性および消化性を改善するために乳酸菌によって発酵処理を行い、産生された発酵乳を離乳子豚に給与してその飼料としての効果について検討を行う。
成果の内容・特徴 1.
離乳子豚の糞便より分離されたLactobacillus pluntarum E4.0 2-1株を85度、30分殺菌した牛乳に接種し、24時間発酵させると、pH4.3、生菌数9.9×107 CFU/mlを含有する発酵乳となる。
2.
図1に示すとおり、増体量は試験開始1週目から発酵乳区が有意(P0.05)に優れる。飼料摂取量も同様に発酵乳区が優れる。逆に飼料要求率は発酵乳区で高くなる。(表1)
3.
乾物、粗蛋白質、粗脂肪の消化率はいずれも発酵乳区が優れ(P0.01)、このことは給与した発酵乳そのもののの消化率が極めて優れることを意味する。
成果の活用面・留意点 1.
余剰牛乳および期限切れ牛乳が有効活用でき、食糧自給率向上に貢献できる。
2.
発酵乳調製に用いた菌株は(独)農業生物資源研究所ジーンバンクに登録の予定である。
3.
養豚現場で、牛乳を無殺菌の状態で容易に常に良好な発酵乳が生産できるかが残された問題である。
図表1 227066-1.jpg
図表2 227066-2.gif
カテゴリ 未利用資源

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