脂質膜方式味覚センサーで豚肉熱水抽出物の類似性および差異が解析できる

タイトル 脂質膜方式味覚センサーで豚肉熱水抽出物の類似性および差異が解析できる
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2002~2005
研究担当者 岩木史之(兵庫農総研)
江森格(千葉畜試)
佐々木啓介
佐藤勝史(アンリツ)
三津本充
千国幸一
谷口 晃(インテリジェントセンサーテクノロジー)
谷史雄(徳島畜産研)
池崎秀和(インテリジェントセンサーテクノロジー)
発行年度 2005
要約  市販の脂質膜方式味覚センサーにより熱水抽出物を測定することで、豚肉の品種間、あるいは生産場所間の類似性もしくは差異をあらわすことができる。また、味覚センサーの出力結果は水溶性うま味関連成分濃度と相関がある。
キーワード 畜産物・品質、ブタ、味覚センサー、うま味関連成分
背景・ねらい  品質の高い、「おいしい」食肉を生産するための品質評価技術として、官能評価は非常に重要である。ところが、官能評価はパネルの確保と維持・管理などの面から、客観性や再現性を確保し続けることが難しい面がある。一方、近年、脂質膜における電位差を利用した味覚センサーが開発され、これは官能評価を補完もしくは代替するツールとして期待されている。
 本研究では、豚肉熱水抽出物を脂質膜方式の味覚センサーで分析し、品種や生産場所による類似性もしくは差異をあらわすことができること、およびセンサーの出力値が食肉の味における重要な因子であるうま味関連水溶性呈味成分と相関があることを示す。
成果の内容・特徴 1.
豚肉サンプルを1cmの角切りとし、1時間熱水抽出したものを濾過してサンプルとする。
2.
味覚センサーSA402(図1、アンリツおよびインテリジェントセンサーテクノロジー)を用いてサンプルを測定し、標準として用いる無添加ビーフエキス(アリアケジャパン、F-6359)の測定結果との差分をとることで、サンプルの測定値を得る。
3.
8種のセンサープローブから、サンプル間で出力値に有意な差があった6種のプローブを選択し、選択されたプローブによる全サンプルの測定結果について主成分分析を行うと、図2に示すような分布が得られ、品種や生産場所による類似性や差異をあらわすことができる。具体的には、同じデュロック種であっても、生産場所により異なる特徴があることや、梅山豚は他の品種と比べて大きくことなる特徴をもつことがわかる。
4.
図2における第1主成分の主成分得点は、水溶性うま味関連成分と有意な相関がある(表1)。
成果の活用面・留意点 1.
味覚センサーは、呈味成分分析と組みあわせることで、食肉の官能特性を解析するための有力な手段となる。
2.
実際の「味」との関係については、官能評価結果と併せた解析が必要となる。
3.
本成果においては、市場もっとも多くで回っている三元交雑種の測定例数が少ないことを留意する必要がある。
図表1 227068-1.jpg
図表2 227068-2.gif
図表3 227068-3.gif
カテゴリ 評価法 品種

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