タイトル | 飼料イネを粉砕せずに近赤外分析法で飼料成分を測定する方法 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 畜産草地研究所 |
研究期間 | 1991~2005 |
研究担当者 |
守谷直子 徐 春城 蔡 義民 |
発行年度 | 2005 |
要約 | 近赤外分析法による飼料イネの飼料成分の推定において、試料を粉砕しなくても実用的な精度で迅速かつ簡易に推定できる。 |
キーワード | 飼料イネ、近赤外分析法(NIRS)、飼料成分、無粉砕、飼料利用 |
背景・ねらい | 飼料イネの生産、利用が急速に拡大している中、可消化養分総量(TDN)収量の高い飼料イネ専用品種の育成、また実際の乳・肉牛への給与においても、飼料成分などの簡易かつ迅速な推定法が求められている。これまで、近赤外分析法(NIRS)による飼料イネの飼料成分の推定法はすでに開発されている。しかし、前処理として試料を微粉砕する必要があり、そのための労力および時間はかかる。 そこで、試料を粉砕せずにNIRS法で飼料イネの飼料成分を迅速かつ簡易に推定方法を検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 近赤外反射スペクトルの測定は、5cm程度に切断した試料を図1に示した高水分・高油脂用セル(試料充填部のサイズ:18.5mm×211.0mm×43.5mm)に詰め、1試料当たり詰め替えをして4∼5反復で測定し、その平均化スペクトルを用いて作成した各種成分の検量線の精度およびこれらの検量線の推定精度は高いため、そのスペクトルの測定を5回とする。 2. PLS回帰法による作成したDM、CP、細胞壁物質(OCW)、細胞内容物(OCC)、低消化性繊維(Ob)の検量線では、化学分析値と吸光度との相関係数が0.925∼0.973であり、項目によって差があるもののいずれも高い精度が得られる(表1)。 3. 作成した検量線で推定したDM、CP、OCW 、OCC、およびObの値と化学分析値との間の相関係数は高い(0.911∼0.936)。また、EI法で検量線の信頼性を検定した結果、精度の高い「B」にランクされ、実用的な精度で推定できる(表2) |
成果の活用面・留意点 | 1. 飼料イネの品種の育成や農家対象の飼料分析等に活用できる。 2. 試料をセルに詰める際、切断した飼料イネを充分に混合し、なおセル中の試料に隙間が少なくなるようにできるだけ多くの量を詰める必要がある。 3. 標準サンプルは2003年∼2004年の2年間に採取した試料によって構成されている。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | 近赤外分析 肉牛 品種 |