タイトル | 不耕起播種トウモロコシ作付体系に適する冬作草種の選定と再生草処理法 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 畜産草地研究所 |
研究期間 | 2003~2005 |
研究担当者 |
森田聡一郎 吉村義則 平久保友美(岩手農研セ) 田中宜久(秋田普及セ) 大宅由里(佐賀畜試) 黒川俊二 菅野 勉 |
発行年度 | 2005 |
要約 | 夏作トウモロコシの不耕起作付体系において、冬作草種としてライムギを選定し、再生草処理法として除草剤散布を行うことで、トウモロコシは収穫の遅延が防止され、増収する。 |
キーワード | 不耕起播種、再生草、重回帰分析、トウモロコシ、ライムギ、草地生産管理 |
背景・ねらい | 長大型飼料作物であるトウモロコシ栽培への不耕起播種の導入は、軽労化、作期分散など各種の利点がある。しかし、初期生育が前作(冬作)の再生草と競合するため、生育の遅延や、減収などが生じる。本研究ではトウモロコシ収量、栽培日数に影響を及ぼす技術的要因の抽出を行い、最終的に不耕起播種トウモロコシ作付体系に適する冬作草種の選定と再生草処理法の開発を行う。 |
成果の内容・特徴 | 1. 試験区は、冬作草種としてライムギ(以下 Re、品種‘ハルミドリ’収穫日4月30日)、イタリアンライグラス(IR、‘ニオウダチ’5月8日)を使用し、その再生草の処理法として刈払い、刈払い草の放置もしくは搬出、茎葉処理剤(ニコスルフロン)散布、および播種日の移動(5月2日∼6月8日)を組み合わせて設定し、絹糸抽出日数、収量を目的変数とする重回帰分析に供した(表1)。 2. 再生草は播種時における処理方法の違いにより、収穫時の混入量(現存量)が変化し、混入量が多いと、トウモロコシは減収する(図1 A)。また、再生草処理方法の違いにより絹糸抽出までの日数に違いが生じ、日数の延長(生育の遅延)によりトウモロコシ収量は減少する(図1 B)。 3. 重回帰分析における標準偏回帰係数の比較から、IRの存在は絹糸抽出を遅延させ、一方、茎葉処理剤の散布、刈払い、晩播など再生草を減少させる処理では絹糸抽出までの日数が短縮する。同様にトウモロコシ収量に関しては、前作の存在、及び早播は、収量低下の要因となる。逆に茎葉処理剤の散布、刈払い、晩播は収量増の要因となるが、特に茎葉処理剤は効果が大きい。冬作草種間の比較では、Reを選定した場合に、IRよりもトウモロコシ収量が高くなる(表2)。 4. これらのことから、冬作草種をReとした場合は晩播と刈払い、もしくは茎葉処理剤散布を、IRの場合は晩播、茎葉処理剤散布を組み合わせ、前作再生草を抑制することで夏作トウモロコシの生育遅延が防止され、慣行栽培と同程度まで増収することが可能である(図1A、図2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 温暖地(二毛作地帯)において不耕起栽培の作付け体系を検討する際の基礎的知見となる。 2. 本試験は小型作溝機を使用しての小規模面積でおこなっている。また、夏冬草種とも各1品種についての試験である。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | 病害虫 イタリアンライグラス 軽労化 除草剤 飼料作物 とうもろこし 二毛作 播種 品種 不耕起栽培 ライ麦 |