高乾物率で暖地の重要病害に強いソルガム新品種候補「東山交24号」

タイトル 高乾物率で暖地の重要病害に強いソルガム新品種候補「東山交24号」
担当機関 長野県畜産試験場
研究期間 1995~2003
研究担当者 高井智之
春日重光
原 拓夫
後藤和美
海内裕和
桂 真昭
松岡秀道
発行年度 2006
要約 ソルガム「東山交24号」は、暖地の重要病害である紫斑点病、すす紋病および糸黒穂病に対する抵抗性が強く、乾物率が高い晩生品種である。長期利用型イタリアンライグラス等と組合せた出穂期1回刈り利用に適する。
キーワード ソルガム、紫斑点病、すす紋病、糸黒穂病、乾物率、飼料作物育種
背景・ねらい 長期利用型イタリアンライグラスとの組合せによる周年飼料作体系に対応したソルガムの1回刈り利用では、病害と台風による倒伏が問題である。そこで、ソルガムの重要病害である紫斑点病、すす紋病および糸黒穂病に強く、倒伏からの起きあがりが期待できる出穂期前後で収穫可能な高乾物率品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 「東山交24号」は細胞質雄性不稔系統「AMP-21」を種子親とし、自殖系統「JN290」を花粉親とした単交雑一代雑種である。
  2. 紫斑点病およびすす紋病に対して「KCS-105」より強く、強い抵抗性を持つ。糸黒穂病に対しては病害発生圃場において発生が認められない(表1、写真1、写真2)。
  3. 乾物率は「KCS-105」より5%程度高い(表1)。
  4. 乾物収量は九州地域7場所の平均で「KCS-105」比101である(表1)。
  5. アブラムシの発生は「KCS-105」より多い(表1)。
  6. 耐倒伏性は「KCS-105」並である(表1)。
  7. 早晩性は「KCS-105」並で、晩生である(表1)。
  8. 草丈および稈径は「KCS-105」並である(表1)。
  9. 飼料成分割合は、Ob含量は「KCS-105」より高く、OaおよびOCC含量は「KCS-105」より低く、推定TDN含量は「KCS-105」よりやや低い。同じ乾性のロールベールサイレージ調製に適した「HSK-1」との比較では、各成分および推定TDN含量とも同等である(表1)。
  10. サイレージの採食性は「KCS-105」より優れる(表1)。
  11. 出穂始で収穫し、調製したロールベールサイレージの発酵品質は良好である(表2)。
  12. F1の採種量は22.2kg/aで、採種性は問題ない(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 暖地の出穂期1回刈りで利用する。普及見込面積は1500ヘクタールである。
  2. アブラムシの被害、台風害を避けるため、出穂期以降は早く収穫する。
図表1 227170-1.jpg
図表2 227170-2.jpg
図表3 227170-3.gif
図表4 227170-4.gif
カテゴリ 育種 イタリアンライグラス 飼料作物 新品種 ソルガム 抵抗性 品種

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