タイトル |
南西諸島向け採草用牧草ギニアグラス新品種「パイカジ」 |
担当機関 |
沖縄県畜産研究センター |
研究期間 |
1998~2005 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2006 |
要約 |
ギニアグラス新品種「パイカジ」は、南西諸島で最も普及している「ガットン」より収量および消化率が向上しており、収量は多収品種「ナツユタカ」並である。南西諸島の永年草地での採草利用に適している。
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キーワード |
ギニアグラス、パイカジ、採草、南西諸島、永年利用、収量、消化率
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背景・ねらい |
南西諸島では暖地型牧草の高い収量性に依存した集約的な和牛の繁殖経営が定着している。ギニアグラスはラップサイレージなどで採草利用され永年栽培されている。南西諸島の利用に適した流通品種は「ナツユタカ」および「ガットン」の2品種のみとなっている。しかし、「ナツユタカ」は亜熱帯気象下で永続性と収量性に優れるが、消化率が劣るため十分な普及に至っていない。収量が劣る「ガットン」が、比較的消化率が安定しているため普及している。そのため、「ナツユタカ」並の収量を示し、「ガットン」に優る消化率をもつ新品種を育成する。
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成果の内容・特徴 |
- 利用3年目の年間乾物収量は「ガットン」対比134(実収量518kg/a)、で「ナツユタカ」並の多収で(表1)、永続性がある(写真1、2)。
- 出穂始期は「ガットン」に比べ8日遅く中生である(表1)。
- 茎数が「ガットン」および「ナツユタカ」に比べ多く、多茎である(表1)。
- 生殖様式はアポミクシス(81.4%)で、利用上十分な均一性を有している(表1)。
- 地際部短径は「ナツユタカ」より細く、「ガットン」並で、扁平である(表1)。
- 乾物消化率は「ガットン」および「ナツユタカ」より高く、56.0%である(表2)。
- 粗タンパク質含有量は「ガットン」および「ナツユタカ」より高く、11.3%である(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 南西諸島全域の草地で、永年採草利用に適する。青刈給与・乾草及びラップサイレージ生産が可能である。普及見込み面積は1,000ヘクタールである。
- 播種後最初の刈り取りでやや倒伏しやすい傾向があるので、播種後70~80日の早めの刈り取りが望ましい。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
亜熱帯
経営管理
新品種
播種
繁殖性改善
品種
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