モウソウチクの飼料成分とサイレージ発酵品質

タイトル モウソウチクの飼料成分とサイレージ発酵品質
担当機関 畜草研
研究期間 2006~2008
研究担当者 蔡義民
上垣隆一
松井繁幸(静岡県中小家畜セ)
大谷利之(静岡県中小家畜セ)
岩澤敏幸(静岡県中小家畜セ) 
発行年度 2007
要約 モウソウチク茎部には中性デタージェント繊維が乾物中約90%含まれ、これを粉末化した生竹粉に乳酸桿菌「畜草1号」と乳酸球菌RO50菌株を添加することにより良質なサイレージを調製できる。とくにRO50菌株の添加により遊離アミノ酸含量が増加する。
キーワード モウソウチク、サイレージ、放置竹林
背景・ねらい 近年、日本の里山では放任モウソウチク林問題が発生している。竹林の放置化が進むと、山の植生、微生物・虫・動物などが単一化され、自然生態系への悪影響も懸念されている。 未利用資源である竹(モウソウチク)を畜産へ有効利用するには、飼料として良質かつ安定的に長期貯蔵できる技術開発が必要である。
本研究は、サイレージ調製用乳酸菌を利用し、高品質モウソウチクサイレージの調製・保存技術を検討するとともに、その飼料成分と発酵品質を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. モウソウチク茎部を竹粉製造機で粉末化した生竹粉の水分は40-48%であり、その飼料成分はモウソウチク葉部に比べ、粗タンパク質が低いが、中性デタージェント繊維が乾物中約90%含まれている(表1、図1)。
  2. サイレージ発酵の適性に優れ、乳酸生成能が優れる乳酸桿菌(Lactobacillus planatarum)である「畜草1号」や、2種バクテリオシンを生産する乳酸球菌Lactococcus lactisである「R050株」を添加して生竹粉を密封貯蔵すると、pHが低く、乳酸含量に富む良質なサイレージが調製できる(図2)。
  3. モウソウチクには各種遊離アミノ酸の生理活性物質が含まれ、とくにサイレージ発酵の過程において、RO50菌株の添加により鎮静効果や血圧降下などの効果があるガンマ-アミノ酪酸(GABA)が多く生産される(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 放置竹林の畜産への利用には有効な技術になる。
  2. 反芻家畜への給与メニューについて検討する必要がある。
図表1 227183-1.gif
図表2 227183-2.gif
図表3 227183-3.gif
図表4 227183-4.gif
カテゴリ 長期保存・貯蔵 未利用資源

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