タイトル |
C1化学変換の廃熱を利用したバイオマス乾燥システムの開発とガス化発電特性 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 |
研究期間 |
2005~2006 |
研究担当者 |
武野計二
松本慎治
松本啓吾(以上
三菱重工(株))
小林真
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発行年度 |
2007 |
要約 |
新たに開発した乾燥・無臭前処理システムでは、システムの廃熱を利用してバイオマスを含水率15%以下にまで乾燥できる。乾燥器から排出される臭いを含む空気はガス化炉に供給することにより、系外に排出しない。乾燥試料のガス化及びガス発電の最適条件を解明した。
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キーワード |
飼料作物、農林バイオマス1号機、バイオマス、乾燥、飼料作物開発
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背景・ねらい |
C1化学変換におけるガス化炉の熱損失を低減するため、高水分バイオマスの乾燥・無臭前処理システムを開発する。システムの廃熱を熱源として利用して原料バイオマスを含水率15%以下に乾燥し、乾燥に用いる空気(抽気)に含まれるバイオマス由来の臭いは、系外に放出しないことを目標とする。農林バイオマス1号機を用いて、乾燥した試料のガス化及びガス発電の最適条件を解明する。
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成果の内容・特徴 |
- 開発・試作したシステムは、システム廃熱(ガス化発電においてはガスエンジンの排ガス熱)を熱源として原料バイオマスを乾燥し、乾燥器を通った空気(抽気)は全量をガス化炉に供給する。空気はガス化剤としてガス化反応に寄与し、臭い成分はガス化炉で分解されるので系外に放出しない(図1)。
- 採用した乾燥器は、一般的な熱風型(直接加熱型)より熱効率の高い伝導伝熱型(間接加熱型)である。回転しながらバイオマスを撹拌・搬送するディスク内部及び筐体内部に熱媒を通し、伝熱により加温されたバイオマスから蒸発する水分を抽気によって機外へ運び去る構造である。
- 乾燥器に供給する熱媒温度を170℃以上に設定すると、抽気が常温であってもバーク(当初含水率50%)、シバ(同54%)を含水率10~15%にまで乾燥できる(表1)。
- 当初含水率が84%と高い茶絞り滓は流動性及び熱量の制約があるため、50%に予乾後供試すると11%にまで乾燥できる。ガス化によって生成したガスの組成も明らかにした(図2)。
- ガス化効率及び乾燥試験の熱効率に基づくと、含水率60%以下の原料バイオマスであれば廃熱利用の熱収支が成立する。
- 農林バイオマス1号機の36時間連続ガス化・ガス発電によると、5kW規模ガスエンジンの熱効率は最高24%を示し、これは1MW級の実用規模プラントでは40%以上に相当する高水準と評価される(図3)。
- ガス化の変換効率(75%)と実用規模ガスエンジンの熱効率(40%以上)から求めると、実用規模ガス化・ガス発電の熱効率は30%に相当する。
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成果の活用面・留意点 |
- 実用規模プラントの設計・製作に当たっての基礎的知見及び、原料バイオマス選定の指針として活用できる。
- 伝熱面に粘着しやすい物性のバイオマスや含水率が60%を超えるバイオマスは、ハンドリング性や熱収支の検討があらかじめ必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
乾燥
飼料作物
茶
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