飼料用トウモロコシF1における部位別のアントシアニン含量の経時的変化

タイトル 飼料用トウモロコシF1における部位別のアントシアニン含量の経時的変化
担当機関 長野県中信農業試験場
研究期間 2005~2007
研究担当者 三木一嘉
澤野 史
発行年度 2007
要約 トウモロコシのアントシアニンは茎、葉および雌穂の各部位に含有し、その含量は葉中で最も高く、糊熟中・後期から成熟期にかけて各部位でその含量が増大する。乾物中の葉重割合は糊熟中・後期から黄熟初・中期にかけて低下するが、総体のアントシアニン含量は糊熟中・後期から成熟期まで徐々に増大する。;
キーワード トウモロコシ、アントシアニン、抗酸化性、サイレージ、雌穂割合;
背景・ねらい 近年、家畜の免疫機能を高めるために、抗酸化性を有する機能性粗飼料の開発や給与法が検討されており、抗酸化性成分として知られるアントシアニンの含量が高いサイレージ用トウモロコシが育成されつつある。また、アントシアニンを発現させる同一の遺伝子を持つF1系統間でアントシアニン含量が異なることが報告されている。そこで、アントシアニン高含有トウモロコシF1系統をサイレージ利用する際の参考とするため、その含量の経時的変化を明らかにする。;
成果の内容・特徴
  1. アントシアニン含量の異なるトウモロコシF1の3系統(C922(高含有系統)、AX006(中含有系統)、32K61(市販品種))を、2005年と2007年の5月中旬に播種すると、8月下旬から9月下旬には、子実の外観および乾物率から、熟度は糊熟中・後期から成熟期に達し、乾物総重はこの期間に徐々に増大する(表1)。また、糊熟中・後期から黄熟初・中期にかけて葉および茎の割合が低下し、雌穂の割合は増大するが、それ以降は大きく変化しない(図1)
  2. アントシアニンは茎、葉および雌穂に発現し、その含量はいずれの熟度でも葉が最も多く、茎が最も少ない。葉および雌穂中の含量は、糊熟中・後期から成熟期にかけて増大し、総体含量は糊熟中・後期から成熟期にかけて、徐々に増大する(表1)。特に高含有系統「C922」では茎中の含量もこの期間に増大する(図2)。
  3. 「C922」はいずれの熟度でも「32K61」と比較して総体で6.6倍以上のアントシアニンを含有する(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. アントシアニンのサイレージ利用を目的とする際の参考となる。
  2. 収穫時期の判定には、サイレージ品質の確保の点も考慮する必要がある。
  3. 試験に供試した「C922」と「AX006」は、長野県中信農試で育成した兄弟F1系統で、子実表面は、通常のサイレージ用トウモロコシとほぼ同様の黄色を呈する。
  4. 本情報は長野県中信農業試験場(長野県塩尻市、標高750m、年平均気温10.8℃、年間降水量1276mm)において得られたものである。
図表1 227186-1.gif
図表2 227186-2.gif
図表3 227186-3.gif
カテゴリ 機能性 飼料用作物 とうもろこし 播種 品種

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