子豚を利用した免疫調節機能評価技術の確立と発酵リキッド飼料の評価

タイトル 子豚を利用した免疫調節機能評価技術の確立と発酵リキッド飼料の評価
担当機関 機能性飼料研究チーム
研究期間 2006~2008
研究担当者 水町功子
青木玲二
川島知之
大森英之
発行年度 2008
要約 子豚の血液、糞便、唾液などの生体成分を用いて、乳酸菌や乳酸菌で調製した発酵リキッド飼料等の免疫調節機能を簡便に調べることができる。
キーワード プロバイオティクス、発酵リキッド、抗体応答、サイトカイン、離乳子豚
背景・ねらい 乳酸菌などのプロバイオティクスは、腸内細菌叢のバランス改善の他、免疫賦活作用等を発揮し、疾病予防などを通じて宿主の健康に寄与することが知られている。しかし、乳酸菌や乳酸菌を含む飼料が家畜の免疫機能に及ぼす影響を科学的に検証した例はほとんどない。そこで、本研究では子豚の血液、糞便、唾液などの生体成分を用いた免疫機能評価系を構築し、その評価系を用いて乳酸菌や発酵リキッド飼料が有する免疫調節機能を評価する。
 
成果の内容・特徴
  1. 唾液および糞便中の抗体量測定のためのサンプル調製法ならびに血液細胞によるサイトカイン応答評価手法(図1)を活用すると、子豚の免疫応答を簡便に調べることができる。
  2. 唾液および糞便中のIgA抗体応答を簡便かつ経時的に評価できる(表1)。特に、唾液は、生まれた直後の子豚からも簡単に採取可能であり、苦痛やストレスを最小限に抑えて、経時的な抗体応答の変化を調べることが可能である。
  3. 子豚の血液細胞を用いて、乳酸菌や発酵リキッド飼料などのサイトカイン産生誘導能を明らかにできる。
  4. 上記評価法により、Lactobacillus plantarum LQ80 (LQ80) 添加で調製した発酵リキッド飼料は、離乳子豚の抗体応答を賦活化することが明らかとなった(表1,図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 糞便や唾液中の抗体量測定による評価は、簡便なため大規模な実証試験への応用が可能である。
  2. 免疫賦活機能を有し、抗生物質削減を可能にするプロバイオティクスおよびプロバイオティクス飼料の開発につながる。
  3. 摂食、飲水により、抗体量や血液細胞数が変動することから、サンプル採取は摂食時間を避け、経時的に測定する場合は一定時刻に採取する。
  4. 糞は新鮮糞を採取し、IgA抗体の分解を避けるために、糞及び唾液サンプルの重量測定及び希釈までは、低温でできるだけ早く処理する。
図表1 227234-1.gif
図表2 227234-2.gif
図表3 227234-3.gif
カテゴリ 評価法

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