タイトル |
トマト青枯病抵抗性遺伝子のDNAマーカー |
担当機関 |
野菜・茶業試験場 |
研究期間 |
1994~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
トマト青枯病抵抗性遺伝子のDNAマーカーを検索し、幼苗期の早期予備選抜に有効な数個のマーカーを得た。
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背景・ねらい |
トマトの青枯病は被害が大きく防除も難しいので、抵抗性品種の育種が望まれている。抵抗性遺伝子はトマト近縁種Lycopersicon pimpinellifoliumに由来し、複数の遺伝子により支配されていると考えられており、抵抗性品種の育成はきわめて難しい。ここではRAPD(random amplified polymorphic DNA)解析によって、選抜マーカーを得ることを目的とし、さらに、既存の抵抗性品種を分析し、抵抗性遺伝子の起源を推定した。
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成果の内容・特徴 |
- 288個のプライマー(またはその組合わせ)を用いて、抵抗性親‘Hawaii 7998’と罹病性系統‘TPL-5’および両者の交雑F4世代の個体を調査し、抵抗性系統にあって罹病性系統にない特異なバンドを検索した結果、7本のバンドが選抜マーカーの候補として得られた(表1)。
- F2世代99個体についてこの7個のマーカーの存否と青枯病汚染ほ場における発病に基づく抵抗性指数(1:極弱~13:極強)との関係を比較し、7個のうち5個のマーカー(表1の*印)が選抜に有効であると推定された。
- F2世代99個体において、この5個のマーカーすべてを有する個体が31個体得られ、その平均抵抗性指数は、8.94となり、この中に抵抗性指数の高い(12~13)9個体中8個体(89%)が含まれていたことから、これらのマーカーは抵抗性個体の予備選抜に有効であると推定された(表2)。
- 得られた7個のマーカーの有無をトマト品種、および近縁種について調査し、抵抗性遺伝子の起源を推定した(表3)。4個のマーカー(12-38,10-22,12-74,12-84)は抵抗性遺伝子との連鎖が示唆された。また別の2個(12-13,12-29)はL. pimpinellifoliumのごく一部にのみ存在すると推定された。
- 以上より、Hawaii 7998を抵抗性素材として用いた青枯病抵抗性育種において、得られた数個のマーカーは幼苗期の予備選抜のマーカーとして利用できる。
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成果の活用面・留意点 |
得られたマーカーがすべて抵抗性遺伝子に連鎖しているか否かは、継続検討が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
青枯れ病
育種
DNAマーカー
抵抗性
抵抗性遺伝子
抵抗性品種
トマト
品種
防除
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