タイトル |
2層3重空気膜の透明屋根構造による太陽熱集熱ハウスの開発 |
担当機関 |
野菜・茶業試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
島地 英夫
柳 雅之(鹿島建設技術研究所)
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発行年度 |
1995 |
要約 |
ハウスの屋根材として軽量で強度的に優れた空気膜構造を用い、保温性と採光性が優れ、屋根構造を集熱装置とすることのできる省エネルギーハウスの原型を開発した。
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キーワード |
ハウス、空気膜構造、保温性、採光性、集熱装置、省エネルギー野菜・茶業試験場 施設生産部 資材利用研究室
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背景・ねらい |
ハウスの構造は一部の改良はなされているものの基本構造は数十年間変わっていない。 そこで、施設園芸ハウスの基本的な性能である採光性、保温性等を検討し、構造や省エネ ルギーなど総合的な観点から性能向上を図るハウスを開発する。
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成果の内容・特徴 |
- ハウスの屋根材として大スパンで軽量、強度的に優れた空気膜構造を採用する。ハウ
スの屋根部は(図1)に示すように、3枚のプラスチッ クフィルムから構成される。その上層空間はファンによって常時加圧された空気(5~15mmH2O) により構造的に強度を支える役割を果たし(図2)、下層の 隙間は流水によって太陽熱の集熱を行う。上部と下部のフィルムは張力に対する伸びの少 ないポリエチレン系、中間のフィルムは伸びやすい塩化ビニルフィルムを用いて、構造的 な強度と流水のための薄層を形成する。
- ワイヤーサスペンション構造(図4)によって骨材が細
く少ないために、また下層が水で充填されているためにフィルム3枚であるもののフィル ム2枚の透過率に匹敵し、採光性は同等以上である。保温性は既往の研究結果が示すよう に空気膜構造のため優れている。
- 屋根面はほとんどが透明な集熱器となり、その集熱能力はと従来の地中熱交換ハウス
と同程度(40kcal/m2h,(図3)であるが、熱媒体が液体であ るために取り扱いやすく、図1に示す省エネルギーハウスへの適用が可能である。図3の 負の集熱(放熱)の結果は夜間保温のためのウォーターカーテンとしての利用が可能であ ることを示している。アオミドロの発生は硫酸銅の混入で抑えらえる。高濃度の金属イオ ンにすれば日射の赤外部の吸収によって集熱能力の向上が期待でき、さらに色素の混入に よる遮光等の応用が可能である。
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成果の活用面・留意点 |
太陽熱の集熱装置として実用化するための蓄熱や放熱のシステム化が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
施設園芸
省エネ・低コスト化
茶
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