半枯病抵抗性‘ナス中間母本農1号’の育成

タイトル 半枯病抵抗性‘ナス中間母本農1号’の育成
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間 1995~1995
研究担当者 坂田好輝
山川邦夫
望月英雄
発行年度 1995
要約 ‘ナス中間母本農1号’は半枯病抵抗性であり、その抵抗性は単因子優性である。また、果実形質は抵抗性素材の‘LS174 ’よりも大幅に改良され、実用品種に近く、抵抗性育種素材として有用である。
キーワード ‘ナス中間母本農1号’、半枯病抵抗性、単因子優性、抵抗性育種素材野菜・茶業試験場 野菜育種部 育種第3研究室
背景・ねらい  ナス半枯病は昭和28年に愛知県で発見され、その後全国各地で被害が認められるように
なった。実際栽培ではヒラナス等の抵抗性台木を利用した接ぎ木栽培により被害を回避し
ているが、接ぎ木には多大の労力を要するので自根栽培可能な半枯病抵抗性品種の育成が
望まれている。そこで、半枯病抵抗性ナスの中間母本を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 育成経過
     抵抗性素材の‘LS174 ’は半枯病抵抗性であるが果実形質は不良である。昭和51年に交
    配した‘久留米長’と‘LS174 ’のF1 に、翌年‘久留米長’を戻し交雑し、53年と54年
    には抵抗性選抜個体に‘千両2号’を交雑してB3F1種子を得た。57年にB3F1の抵抗性個体
    を選抜し、58年以降抵抗性と果実形質について選抜を続け、平成2年に果実形質は実用品
    種に近く、抵抗性の系統‘EF39b-1 ’を得た。本系統は半枯病抵抗性で果実形質は実用品
    種に近いことから、平成7年7月に‘ナス中間母本農1号’として登録された。
  2. 特性の概要
     1)半枯病抵抗性は抵抗性親の‘LS174 ’と同等の強度抵抗性で、幼苗接種検定ではほぼ
    完全な抵抗性を示す。抵抗性は、‘LS174 ’と同様に単因子優性を示すと推定される。(表1)(表2)2)草丈は高く、立性で茎の太さは中程度、節間長はやや長く、茎は濃紫色である。果形
    比(果長/果径)は 3.6で、果形は中長である。果皮、へたともに黒紫色で、へた下は赤
    紫色に着色し、果実形質は抵抗性親の‘LS174 ’よりも大幅に向上し、実用品種の‘千両
    2号’に近い。(表3) 3)収量は‘千両2号’より少なく、果実の肩部が細くなり易い。また、へたが褐変する
    ‘へた枯れ’が多い。
成果の活用面・留意点
    半枯病抵抗性の育種素材として利用できる。抵抗性は単因子優性なので、罹病性品種と
    交雑した場合のF2 世代では約3/4の個体が抵抗性を示す。
図表1 227458-1.gif
図表2 227458-2.gif
図表3 227458-3.gif
カテゴリ 育種 台木 接ぎ木 抵抗性 抵抗性品種 なす 品種

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