薬剤抵抗性ケナガカブリダニの利用による茶害虫の効果的防除

タイトル 薬剤抵抗性ケナガカブリダニの利用による茶害虫の効果的防除
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間 1995~1995
研究担当者 河合章
望月雅俊
発行年度 1995
要約 ケナガカブリダニの合成ピレスロイド剤抵抗性系統は、合成ピレスロイド剤(以下合ピレ剤と呼ぶ)散布後の茶園でのカンザワハダニのリサージェンス(異常多発生)を防止する。この天敵と合ピレ剤の併用により、殺ダニ剤散布量削減と吸汁性茶害虫の効果的防除が可能になる。
キーワード ケナガカブリダニ、合成ピレスロイド剤抵抗性系統、リサージェンス(異常多発生)、殺ダニ剤散布量削減、吸汁性茶害虫の効果的防除野菜・茶業試験場 茶栽培部 虫害研究室
背景・ねらい  茶園では、合ピレ剤散布によるケナガカブリダニへの悪影響のため、カンザワハダニの
リサージェンスが問題になっている。この対策として合ピレ剤抵抗性を示すケナガカブリ
ダニを選抜した。この系統は農薬と天敵の相補的利用を進めるうえで有効な素材である。
そこで合ピレ剤散布条件下の茶園で、本系統を活用した茶害虫の防除方法を検証する。
成果の内容・特徴
  1. 抵抗性系統は、合ピレ剤に対して高い抵抗性を示す。(表ー1)
  2. 鉢植え茶樹、および小規模な茶園では、放飼された抵抗性系統は合ピレ剤散布下でも
    カンザワハダニの増殖を抑制した。
  3. 抵抗性系統が定着した場内試験茶園では、合ピレ剤散布区でもケナガカブリダニの活
    発な活動が観察され、慣行区と同様カンザワハダニの増加が抑えられた(図ー1)。
    さらに合ピレ剤散布によりアザミウマ・ヨコバイなど吸汁性害虫は慣行区より低密度に抑えられるので
    (図ー2)、抵抗性ケナガカブリダニと合ピレ剤の併用により茶
    害虫が総合的に制御される。
成果の活用面・留意点
  1. 抵抗性系統と感受性系統のF1では、その薬剤感受性が抵抗性系統より高まることから、
    野外でのケナガカブリダニの合ピレ剤抵抗性は、感受性個体との交流により変動しやすい
    と考えられる。 
  2. 合ピレ剤抵抗性ケナガカブリダニが分布する茶園では本成果が活用でき、防除体系に
    合ピレ剤を組み込むことで害虫に対する薬剤選択の幅を拡大することができる。また殺ダ
    ニ剤の投入量削減に寄与できる
図表1 227466-1.gif
図表2 227466-2.gif
図表3 227466-3.gif
カテゴリ 病害虫 害虫 かぶ 抵抗性 農薬 防除 薬剤

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