ジュース向き加工用トマトの新品種‘さきこま’

タイトル ジュース向き加工用トマトの新品種‘さきこま’
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間 1993~1996
研究担当者 石内傳冶
藤野雅丈
矢ノ口幸夫
発行年度 1996
要約  ‘さきこま’は多収で、ジョイントレス果柄を持つため省力収穫が可能で萎ちょう病(レース1・2)、半身萎ちょう病に抵抗性を有するジュース向き加工用トマト品種である。
キーワード ‘さきこま’、省力収穫、萎ちょう病(レース1・2)、半身萎ちょう病 、加工用トマト野菜・茶業試験場 野菜育種部 夏秋野菜育種研究室
背景・ねらい  わが国の加工用トマトの生産コスト低減のため、野菜・茶業試験場では先に一斉収穫向き加工用トマト‘なつのこま’を育成したが、固定種であるため収量性が十分でなく、果実が小さく晩生であることなどから、十分な普及には至っていない。そこで、多収で収穫の省力化が図れ、ジュース用原料としての品質を備えた実用性の高い品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 育成経過
     1989年から、野菜・茶業試験場でこれまでに育成した系統及び導入品種・系統の中から選定された30数点の素材を用いて約940組合せのFを作出し、1991年から検定を開始した。その結果、アメリカから導入した大果系の‘Horizon’を種子親に、当支場育成の‘MTP20’(旧系統名:盛岡20号)を花粉親にした組合せが育種目標をほぼ満たしていたので‘盛岡交27号’の系統名を付し、1993年から特性検定試験ならびに系統適応性検定試験に供試した。その結果、ジュース加工用品種として有望であると評価され、1996年8月、とまと農林交26号‘さきこま’として命名登録された。
  2. 特性の概要
     ‘さきこま’の草姿は心止まり型で節間は短く、開張度は‘カゴメ77’より小さい。‘カゴメ77’よりやや晩生であるが、極めて安定した多収性を示し、ジョイントレス果柄を持つため、一挙収穫はもとより手取りでも収穫の省力化が図れる。果実は‘カゴメ77’と同程度(90g)の大きさで、球形であり、糖度はわずかに低いものの、硬さ、色調、酸度、果汁pHなどはほぼ同程度で、ゼリー率も比較的高く、ジュース加工適性は良い。萎ちょう病(レース1・2)、半身萎ちょう病に対してはともに抵抗性である(表1、表2、表3、表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 加工用原料で、露地無支柱栽培に適し、一斉(機械)収穫もしくは2~3回の収穫方式に適応する。適応地域は北海道、東北、北陸、関東、中部、山陰地方である。
  2. 一挙収穫の適期は‘NDM051’よりやや遅いが、適期幅は約2週間で比較的広い。一斉収穫前に一度、手取り収穫を併用すると腐敗果が減少し、収量増につながる。
図表1 227495-1.gif
図表2 227495-2.gif
図表3 227495-3.gif
図表4 227495-4.gif
カテゴリ 育種 加工 加工適性 コスト 省力化 新品種 多収性 抵抗性 トマト 品種

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