寒冷地向きイチゴ新品種‘北の輝’

タイトル 寒冷地向きイチゴ新品種‘北の輝’
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間 1996~1998
研究担当者 沖村 誠
五十嵐勇
発行年度 1996
要約  ‘北の輝’は寒冷地並びに温暖地の露地栽培及び寒冷地の半促成栽培に適する晩生で休眠が深く、多収、大果で日持ち性に優れ、うどんこ病に強く、萎黄病にも比較的強い品種である。
キーワード 寒冷地、露地栽培、半促成栽培、晩生、休眠、多収、大果、日持ち性、うどんこ病野菜・茶業試験場 野菜育種部 夏秋野菜育種研究室
背景・ねらい  寒冷地のイチゴの露地栽培及び半促成栽培でこれまで用いられてきた‘盛岡16号’は低収であること、‘盛岡16号’に代わって導入された‘ベルルージュ’は半促成栽培での後期収量が不安定であるほか、高温期に生じる独特の強すぎるにおいなどに問題がある。そこで、これらの欠点を改良し、栽培し易く多収で果実が硬く食味の優れる寒冷地向きの露地栽培用品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 育成経過
     1990年に晩生で果実品質の良い‘ベルルージュ'を種子親に、大果で果実の硬い‘Pajaro’を花粉親として交配し、得られた実生から選抜した。特性検定及び系統適応性検定試験で優秀性が確認され、1996年8月にいちご農林19号‘北の輝’として命名登録された。
  2. 特性の概要
    1)草姿はやや立性で草勢は強い。葉数、分けつ、ランナーの発生はともにやや少ない。
    2)花芽分化に対する温度、日長の許容範囲はかなり広く花芽分化し易い。開花期及び成熟期は遅く極晩生で、休眠は深い。
    3)収量は露地栽培、半促成栽培ともに多く、奇形果が少なく商品果率は高い。
    4)果実は大果で硬く日持ち性に優れる。やや短円錐形、赤~濃赤色で光沢に優れる。食味は比較的良好である。高温期には種子(そう果)がやや突出する傾向にある。
    5)萎黄病に対して中程度抵抗性、うどんこ病に対して強度抵抗性である(表1、表2、表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 寒冷地並びに温暖地の露地栽培及び寒冷地の半促成(低温カット)栽培に適する。また、日持ち性が優れるうえに花芽分化誘導が容易なため越年苗を利用した寒・高冷地での春植え夏秋どり栽培にも適する。
  2. 栽培に当たっては、大苗の養成に努め、肥料にやや敏感なので多肥を避ける。また、果実が硬いため露地栽培において収穫後期の梅雨時に裂果することがあるので、土壌水分の急激な変化を緩和するための方策を講じることが望ましい。
図表1 227496-1.gif
図表2 227496-2.gif
図表3 227496-3.gif
カテゴリ 肥料 萎黄病 育種 いちご うどんこ病 新品種 抵抗性 品種 良食味

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