タイトル |
タマネギの簡易堅さ測定機と評価法 |
担当機関 |
北海道農業試験場 |
研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
伊藤喜三男
佐藤 裕
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発行年度 |
1996 |
要約 |
タマネギの育種現場へ携行し、堅さを的確に評価できる簡易堅さ測定機である。測定原理は試料に所定の変形を与えるのに必要な応力による堅さ評価法である。測定後の試料は損傷しないので母球として利用できる。
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キーワード |
タマネギ、堅さ、堅さ測定機、堅さ評価法、母球北海道農試 作物開発部 上席研究官・野菜花き研究室
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背景・ねらい |
タマネギの堅さは輸送性、貯蔵性、品質等に関連する重要な形質の一つであるが、その簡易な評価法がない。そこで携帯性が優れ、廉価で、育種現場で利用できる堅さ測定機を開発し、その測定機を用いて堅さの品種間差を明らかにし、品種育成に役立てる。
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成果の内容・特徴 |
- 測定機 開発した堅さ測定機(DFG-C)(図1、表1)は建築工具の充電式シーリングガン(松下電工㈱、EZ3651D、(A))とガンのシャフトに付けたデジタルフオースゲージ(㈱イマダ、SSⅡ-20、(B))、胴筒部に付けたベースフレーム(C)と試料台(D)から成る。測定部のベースフレーム(C)とガンは蝶型ナットで固定し、また試料台はマグネットラバーで試料支柱に装着され、試料の大きさに応じてレベル調節ができる。圧縮距離スケール(F)はマグネットラバーで固定され、ゼロ調整が容易である。圧縮速度は調整つまみ(J)で111~277mm/minの間で変速できる。ベースフレームはアルミ鋼材製で軽い。
- 測定手順 1)試料は赤道部が試料台の側部に接し、感圧軸の中心が赤道部に当たるように置く、 2)DFG をピークホールドに設定し、試料に感圧軸が軽く接するまでスイッチを入れ、 3)圧縮距離スケールのゼロ点を圧縮距離指針に合わせ、スイッチを入れて3mm圧縮し、 4)測定値を読み取り、 5)デジタルを帰零し、次の測定準備をする。
- 測定例 堅さには品種間差が認められる。北海道の主要品種は堅い群に属する(図2)。2カ月と6カ月冷蔵後の堅さの間には密接な関係(r=0.785**)が認められたが、貯蔵期間が長いほど軟らかくなり、その変化は品種によって異なる(図3、図4)。
- 本機の特徴 1)育種現場に携行できる。 2)価格が安く、手作りでできる。 3)圧縮速度は一定で、111~277mm/minの間で変速ができる。 4)非破壊測定なので刺激臭が発生しない。 5)測定後の試料は母球として利用できる。
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成果の活用面・留意点 |
- 感圧軸を交換すると貫入試験にも利用できる。
- タマネギ以外でも利用できるが、それぞれで測定条件の設定が必要である。
- 特許出願中である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
育種
たまねぎ
評価法
品種
輸送
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