タイトル |
茶樹木化根の形態特性における品種系統間差異 |
担当機関 |
野菜・茶業試験場 |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
松尾喜義野菜茶試茶栽培部業務科
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発行年度 |
1997 |
要約 |
茶樹の木化根には、本数、太さ、長さ、分枝程度、屈曲回数、伸長方向、細根発生頻度、表皮の状態などの形態特性やキクイムシ類による食害程度に大きな品種間差異があり、根株にも、単一幹タイプから叢生タイプまで幅広い変異が存在する。
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キーワード |
木化根、形態特性、品種間差異、変異野菜・茶業試験場 茶栽培部 生理遺伝研究室
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背景・ねらい |
茶園への過剰な窒素施肥を是正するための長期的対応策として、施用窒素の吸収効率を飛躍的に高めた根系を持ったチャ品種を育成することが重要である。そこで、施用窒素の吸収効率の向上に寄与するとみられる根系構造について、茶樹の品種・系統による差異の程度を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 30~40年生の69品種の抜き取り調査をした結果から、茶樹の根系構造は、バックホーで抜根した抜き取り株について調べる方法によって、品種間差異が把握できる。
- 木化根の形態的特性には、本数、太さ、長さ、分枝程度、屈曲回数、伸長方向、細根の発生頻度、表皮の状態、などにおいて大きな品種・系統間差異が認められる(表)。
- 樹体基部の根株形態にも、主幹のみからなる単一幹タイプから多数の幹を持つ叢生幹タイプまで、広い変異が認められ、品種系統により特有のタイプを示す。
- キクイムシ類による食害程度には著しい品種間差異があり、食害痕により太根の多くが枯損してしまう品種や、根株の基部が崩壊してしまう品種が存在する。
- 広く普及しているチャ品種‘やぶきた’の根系構造は、小型の根株を持つこと、太根の分枝が少なく太さ1~2cmの斉一で長い木化根が多いこと、キクイムシ類による太根の枯損が少ないこと、根株形態の個体間変異が他品種より大きいこと(写真)などである。
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成果の活用面・留意点 |
- 木化根の特性は茶樹品種の育成にあたって今後考慮する必要があるとみられる。
- 品種特性は栽培歴や土質などにより、多少の変動が見込まれるので注意する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
施肥
茶
品種
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