単為結果性ナス培養子房の生長とオーキシンとの関係(研究)

タイトル 単為結果性ナス培養子房の生長とオーキシンとの関係(研究)
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間 1997~1998
研究担当者 今田成雄
小田雅行(大阪府大)
池田敬
薬師寺博(果樹試)
発行年度 1998
要約 植物ホルモンを含まない培地で培養された単為結果性ナス子房は肥大し、 非単為結果性ナスは肥大しない。単為結果性ナスにおいてオーキシン含量は培養期間中高く維持され、内生オーキシンの子房肥大への関与が示唆される。
キーワード 単為結果性ナス、オーキシン含量、子房肥大野菜・茶業試験場・生理生態部・ストレス耐性研究室
背景・ねらい 単為結果性ナス品種の育成は、栽培管理作業を大きく軽減するものとして期待され、
近年、その形質を持つとされる品種が育種素材としてヨーロッパより導入されたが、
その単為結果性発現機構等については不明な点が多い。そこで、未受粉のナス子房を
ホルモンフリー培地で培養する手法を用いて、単為結果性品種‘Talina’および非単為結果性品種
‘千両2号’における子房の生長特性を比較検討するとともに、果実生長に深く関係すると言われる
オーキシンとの関係を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 'Talina’の子房はホルモンフリー培地で40日間にわたり生長が継続して行われるが、‘千両2号’の子房は培養後10日以降でほぼ生長が停止する(図1)。したがって未受粉で培養を開始した‘Talina’子房が生長したことは、単為結果性によると考えられる。
  2. オーキシン極性移動阻害剤である2,3,5-Triiodobenzoic acid (TIBA)を1 mg L-1以上添加した培地では‘Talina’の子房肥大生長は抑制される(図2)。このことから‘Talina’の子房生長にはオーキシンが関与していることが推測される。
  3. そこで‘Talina’、‘千両2号’およびTIBAを含む培地で培養された‘Talina’の培養期間中の子房における、オーキシンの一種であるIndole-3-acetic
    acid (IAA)量を調べたところ、‘Talina’子房は常に高い値を示す(図3)。
  4. 以上のことから‘Talina’における単為結果性の発現には内生オーキシンが関与している可能性が示唆される。
成果の活用面・留意点
  1. ナス単為結果性の発現機構解明のための基礎的知見となる。本培養方法を用いることにより単為結果性の程度の検定や、単為結果性の判別法として利用できる可能性がある。なお、単為結果性については、着果と果実初期肥大性に分けて考察する必要がある。
図表1 227557-1.gif
図表2 227557-2.gif
図表3 227557-3.gif
カテゴリ 育種 栽培技術 受粉 単為結果 なす 品種

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