イチゴ果実中のビタミンC含量とその収穫期間を通じた安定性の品種間差異

タイトル イチゴ果実中のビタミンC含量とその収穫期間を通じた安定性の品種間差異
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間 1995~1999
研究担当者 曽根一純
望月龍也
野口裕司
発行年度 1998
要約 イチゴ果実中のビタミンC含量の収穫期間を通じた平均値は、品種により22.1~114.4mg/100gの範囲に分布し、収穫期間を通じた安定性には幅広い品種間差がみられる。ビタミンC含量と全糖含量及び全糖中のスクロース割合との間には有意な正の相関がみとめられる。安定して高いビタミンC含量を有する品種として、‘さちのか’等が見出された。
キーワード イチゴ、ビタミンC含量、安定性、全糖含量、スクロース割合、さちのか
背景・ねらい ビタミンCは抗酸化物質として生体内で重要な役割を果たしており、イチゴは主に生食で消 費されるため調理による損失が少なく、その摂取源として重要と考 えられる。そこで安定して高いビタミンC含量を有するイチゴ品種開発の基礎知見を得るため 、遺伝資源として収集した多数の品種を供試し、ビタミンC含量の 品種・作型及び年次間での変動並びに、ビタミンC含量と糖及び有機酸の含量・組成との関係 を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 供試した162品種の収穫期間を通じたビタミンC含量の平均値は、22.1~114.4mg/100gの範囲に分布し、総平均は59.1mg/100gである(表1)。
  2. ビタミンC含量の品種間差は収穫時期及び年次間で安定性が高く、品種特性としての ビタミンC含量は少ないサンプリング回数で評価が可能である(表2)。
  3. ビタミンC含量及び収穫期間を通じた安定性には幅広い品種間差がみられ、‘静紅’、‘さちのか’、‘あかしゃのみつこ’等は高いビタミンC含量を有し、安定性が比較的高い(表3)。
  4. ビタミンC含量と全糖含量及び全糖中のスクロースの割合との間には有意な正の相関がみられたが、有機酸含量及びリンゴ酸とクエン酸の比率との間には相関がみられない(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. ‘静紅’、‘さちのか’、‘あかしゃのみつこ’等は安定して高いビタミンC含量を有する品種育成のための交配親として利用が期待される。
  2. 糖含量が高くかつ糖組成の安定した素材を利用することにより、食味とのバランスの取れた、安定して高いビタミンC含量を有する品種育成が可能と考えられる。
  3. ビタミンC含量の安定性が高い品種群は、ビタミンC含量の遺伝性解明のための研究材料として利用できる。
図表1 227585-1.gif
図表2 227585-2.gif
図表3 227585-3.gif
図表4 227585-4.gif
カテゴリ いちご 遺伝資源 品種 品種開発 良食味 りんご

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