青枯病強度抵抗性の生食用大玉トマトの中間母本候補'とまと中間母本農9号'

タイトル 青枯病強度抵抗性の生食用大玉トマトの中間母本候補'とまと中間母本農9号'
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間 1981~2005
研究担当者 門馬信二
吉田建実
松永 啓
佐藤隆徳
成河智明
坂田好輝
飛騨健一
発行年度 1999
要約 ‘とまと中間母本農9号’は青枯病に対して台木用品種‘LS89 ’と同等ないしやや劣る強度抵抗性を有し、果色が桃色、果重が160~200gの生食用大玉トマトである。本中間母本はトマトの青枯病抵抗性品種育成の育種素材として利用できる。
キーワード とまと中間母本農9号、青枯病、強度抵抗性、生食用大玉トマト、中間母本
背景・ねらい 青枯病はトマト栽培において最も重要な土壌伝染性病害の1つであり、実用的な生食用品種に十分な抵抗性を有するものが無いために、抵抗性台木を用いた接ぎ木栽培が行われている。しかしながら、接ぎ木栽培では、台木の育苗、接ぎ木作業、接ぎ木後の順化等に多大な労力を要していること、接ぎ木個体の穂木部が発病する場合があることから、生食用の青枯病抵抗性品種の育成が望まれている。トマトの青枯病抵抗性素材としては‘LS89’、‘金剛’などが育成されているが、いずれも果実が小さく、生食用品種の育種素材として不十分であった。そこで果実が大きく青枯病に強度抵抗性の中間母本を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 育成経過:昭和60年に‘金剛’と‘FV(12)-2-13-1-1-1’とを交雑し、青枯病抵抗性についてF4世代まで選抜を続けた。F4世代の‘TBwf04D-3-11’に大果で青枯病に中程度の抵抗性を有する‘LS1811-2’を交雑し、抵抗性と果実形質について選抜を続け、平成8年にF7世代で、当初の目的にほぼかなった系統を得た。本系統は‘トマト安濃6号’の系統名で平成9~11年にわたり特性検定試験を実施した結果、青枯病抵抗性素材としての優秀性が認められたので、中間母本登録を行う。
  2. 青枯病抵抗性は市販の生食用品種や主要な台木用品種の‘影武者’よりも強く、青枯病強度抵抗性の台木用品種‘LS89’と同等ないしやや劣る(表1)。
  3. り病性品種とのF1は両親の中間値よりも弱い抵抗性を示し、そのF2世代では‘とまと中間母本農9号’と同等の抵抗性個体の出現が認められる(表2)。抵抗性は比較的少数の複数遺伝子支配である。なお、抵抗性と果実の大きさ、色、形、果実の揃い等の主要な一般形質との間に連鎖は認められない。
  4. 果色は桃色で、やや偏球形、平均果重は160~200gであり、生食用大玉品種としての要件を備えている(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 青枯病強度抵抗性育種素材として、トマトの抵抗性品種の育成に利用できる。
  2. 代表的なF1品種に比べ糖度がやや低く、果実が軟らかい。また、奇形果の発生が多いなどの欠点を有するため、組み合わせる相手に留意する。
  3. 萎ちょう病(レース1)に抵抗性であるが、半身萎ちょう病、根腐萎ちょう病、TMVに対してはり病性である。
図表1 227615-1.gif
図表2 227615-2.gif
図表3 227615-3.gif
図表4 227615-4.gif
図表5 227615-5.gif
図表6 227615-6.gif
図表7 227615-7.gif
カテゴリ 青枯れ病 育種 育苗 台木 接ぎ木 抵抗性 抵抗性品種 トマト 品種

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