タイトル |
施与した液肥を全量吸収させる鉢物花き、苗物の底面給水栽培法 |
担当機関 |
野菜・茶業試験場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
須藤憲一
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発行年度 |
1999 |
要約 |
〔要約〕施与した液肥の全量を吸収させる完全閉鎖式でプール式の底面給水栽培法を開発した。この方法は、施肥による安定した生育制御が行えるだけでなく、肥料の排出が無い。
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キーワード |
完全閉鎖式、プール式、底面給水栽培法、排出野菜・茶業試験場 久留米支場 花き研究室
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背景・ねらい |
鉢花生産で多量に発生する養分の流亡は無駄であり、かつ流亡した養分は環境に負荷を与える。プ-ル内の鉢数に各鉢が必要とする灌水量を乗じれば注入水量が正確に算出でき、過不足なく吸水させることができる。また、施与液肥濃度の調節で鉢花の生育に必要な養分の絶対量が制御でき、流出や肥効遅延が無い安定した施肥体系が確立できる。そこで、環境保全や低コスト生産に有効と思われる上記底面給水方法の可能性について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- プールは以下のように設置する。必要灌水量が100mlの鉢(9cm鉢想定)を100鉢/㎡で配置した場合、1回の灌水量は10mmとなるので、プールの深さは安全性を見込んで2cmとする。プールのわずかな高低差による水の分布のバラツキは、0.15mm程度の薄い毛管シート(ラブシート)を敷くことで調整する。
- 鉢花の吸肥特性に応じた日当たりの施肥量の設定によって、鉢内養分濃度が制御でき(図1)、生育制御が容易に行える(図2)。数回分の養分量をまとめて施与することもできるが、1回の施与量が多くなると、生育制御が困難になる種類もある(データ省略)。
- 長期間栽培する観葉植物などでCaやCl、SO4-S等の不要養分が蓄積する場合は、Kを増加しCl、SO4を減らした改良液肥の組成で調合すれば、不要養分の蓄積が減少し、生育も良好となる(図3、(図4)。
- 鉢花類、観葉植物類、花壇苗等の苗物、クルメツツジ、セル成型苗について、本法の有効性を確認している。
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成果の活用面・留意点 |
- プールの設置に当たっては5mm程度の灌水でラブシートが全面濡れる程度の水平レベルが必要である。
- 定流量弁とタイマーなどを使った自動化、積算日射量をファクターとする灌水時期や灌水量のコンピュータ制御等を試験済みである。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
施肥
茶
低コスト
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