半数体倍加系統の作出が容易なハクサイおよびキャベツ品種

タイトル 半数体倍加系統の作出が容易なハクサイおよびキャベツ品種
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間 2000~2003
研究担当者 高畑義人(岩手大学)
増田寛之(㈱増田採種場)
中村幸司(アサヒ農園㈱)
釘貫靖久
発行年度 1999
要約 〔要約〕ハクサイおよびキャベツで小胞子(未成熟花粉)からの植物体再生能が高く、半数体倍加(DH)系統の作出が容易な品種をみいだした。これら植物体再生能が高い品種と低い品種との雑種第一代(F1)においても小胞子からの植物体再生能は高い。
キーワード ハクサイ、キャベツ、小胞子、半数体倍加(DH)系統、植物体再性能野菜・茶業試験場 野菜育種部 アブラナ科育種研究室
背景・ねらい アブラナ科野菜の大部分は他殖性で自殖弱勢を示すことから、遺伝的に固定した系統を作出するのは困難な状況にある。一方、小胞子培養により半数体植物を作出し、そのゲノムを倍加することで遺伝的に固定した系統を短期間に得ることができ、これらは実際育種、遺伝学などで有用な材料となる。しかし、小胞子からの植物体再生、その染色体倍加頻度などの効率が遺伝子型の影響を受け、多くの品種ではこれらの効率が低いことがその利用を困難にしている。そこで、効率的に半数体倍加(DH)系統を作出しうる品種の検索および後代での植物体再生能の調査を行い、本技術の適応を容易にすることを目的とする。
成果の内容・特徴
  1. ハクサイでは台湾から導入した南方型品種の‘Homei’、キャベツでは市販のF1品種‘松波’で、小胞子からの植物体再生能が高い(図1)。
  2. 小胞子からの植物体再生能の高い系統と低い系統とのF1は、ほとんどの組合せで小胞子からの植物体再生能が高い(図2)。このため、これらのF1小胞子由来DH系統を多数作出し、これらから希望する遺伝子型を持つDH系統を得る可能性が高い。
  3. ハクサイ‘Homei’およびキャベツ‘松波’の小胞子由来再分化植物において、その8割程度で2倍体(DH)が得られる(表1,図3)。
成果の活用面・留意点
  1. アブラナ科野菜のDH系統の作出が可能となり、遺伝様式の解明、QTL解析などに有用な材料になる。
  2. 小胞子からの植物体再生能が低い品種においても、高い品種との雑種第一代ではDH系統の作出が容易であり、DH系統の利用場面が広くなる。
  3. 小胞子からの胚様体形成能、胚様体からの植物体再生能、再分化植物の自然倍加頻度などに関与する遺伝子の解明が残されている。
図表1 227637-1.gif
図表2 227637-2.gif
図表3 227637-3.jpg
図表4 227637-4.gif
カテゴリ あぶらな 育種 キャベツ はくさい 品種

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