パーティクルガンによるサトイモの形質転換系の確立

タイトル パーティクルガンによるサトイモの形質転換系の確立
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間 1997~1999
研究担当者 榎本末男
花田 薫(九州農試)
吹野(伊藤)伸子
発行年度 1999
要約 〔要約〕サトイモ品種‘エグイモ’において、パーティクルガンを利用した形質転換系を開発した。本転換系では、茎頂組織由来の培養細胞にDNAを付着させた微小金粒子を撃ち込み、ハイグロマイシン添加培地で転換体の選抜・再分化を図る。
キーワード サトイモ、パーティクルガン、形質転換系野菜・茶業試験場 野菜育種部 種苗工学研究室
背景・ねらい サトイモは栄養繁殖性であり、我が国の自然条件下では通常開花しないため交雑育種はほとんど行われていない。また、Agrobacterium による形質転換は困難である。そこで、パーティクルガンによるサトイモの形質転換系を開発する。
成果の内容・特徴
  1. サトイモ品種‘エグイモ’の茎頂組織から誘導されたカルスを振盪培養により増殖し,細断して滅菌ろ紙上に均一に広げ、遺伝子導入に供する。
  2. 遺伝子導入にはパーティクルガン(BIORAD PDS 1000/He)を用い、ラプチャーディスクは1100psi(7.58MPa)、Target distance(ストッピングスクリーンから試料までの距離)は9cmとする。撃ち込みにはpREXにハイグロマイシン耐性遺伝子(HPT)と導入目的遺伝子を組み込んだプラスミドDNA(図2)をコーティングした1.6μmの金粒子を用いる。
  3. カルスは遺伝子導入2日後にハイグロマイシンを含む選抜培地に移し、約1ヶ月後に生長してきた緑色カルスをホルモンフリー培地に移して再分化させる(図3)。
  4. 再分化植物体は、PCR法及びサザン法により導入遺伝子の確認を行う(図4)。
  5. この方法により、これまでにb-グルクロニダーゼ(GUS)遺伝子及びサトイモモザイクウイルス(DMV)外被タンパク質(CP)遺伝子を導入した再分化植物が得られている。
    (図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 交雑による品種改良が困難なサトイモの育種に利用できる。
  2. 遺伝子導入効率はあまり高くないため(シャーレ当たりblue spot数 20~200),育種目的には多数のカルスに処理する必要がある。
図表1 227638-1.gif
図表2 227638-2.jpg
図表3 227638-3.gif
図表4 227638-4.gif
カテゴリ 育種 さといも 繁殖性改善 品種 品種改良

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