水耕栽培における大腸菌の動態と制御方法

タイトル 水耕栽培における大腸菌の動態と制御方法
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間 1999~2000
研究担当者 我孫子和雄
白川 隆
発行年度 2000
要約 〔要約〕水耕液に接種した大腸菌は、根やウレタン培地等で長期間、生き残る。水耕栽培の装置、資材、種子等は次亜塩素酸ナトリウム処理や蒸気消毒で殺菌が可能だが、栽培期間中の殺菌は、困難なため、栽培開始前の衛生管理に注意する。
キーワード 大腸菌、水耕栽培、殺菌、衛生管理野菜・茶業試験場 環境部 病害研究室
背景・ねらい 近年、土地生産性、生産物の安全性の志向から、野菜の水耕栽培が増加している。特に環境保全、肥料の節減、排水による環境汚染防止の観点から、培養液を循環させる方式が増えつつある。しかし、本方式では原水、循環する溶液中に病原菌が混入すると短時間に増殖、拡散することが予想される。また、腸管出血大腸菌を中心とした食中毒細菌による野菜の汚染が危惧されている。そこで、非病原性大腸菌を対象として、水耕栽培における大腸菌の動態を解析するとともにその制御管理技術を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 水耕液に接種した大腸菌密度は、時間の経過と共に漸減して7日後には選択培地法による検出限界以下となるが、増菌法を併用した検出では14日後でも検出される(図1、2)。
  2. 根及びウレタン培地に含まれる水耕液に大腸菌が残存し、水耕栽培での潜在的汚染源となる(表1)。
  3. 栽培期間中に汚染した大腸菌は、水耕液の次亜塩素酸ナトリウム処理によって完全に排除することはできない(図2)。
  4. 水耕栽培に使用される装置、資材等に付着する大腸菌は、栽培開始前に次亜塩素酸ナトリウム処理、あるいは80℃で30分間以上の蒸気消毒によって殺菌できる(表2)。
  5. 栽培期間中の大腸菌の排除は困難であるので、栽培開始前に資材、種子、用水等を殺菌し、大腸菌の混入を防ぐために衛生管理に注意することが重要である。
成果の活用面・留意点
  1. 野菜の水耕栽培における衛生管理の参考となる。
図表1 227655-1.gif
図表2 227655-2.gif
図表3 227655-3.gif
図表4 227655-4.gif
カテゴリ 肥料 管理技術 水耕栽培

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