茶園の生育量分布計測システム

タイトル 茶園の生育量分布計測システム
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間 2000~2002
研究担当者 吉冨 均
深山大介
発行年度 2000
要約 〔要約〕レールを敷設した茶園内を自動走行し、搭載した超音波センサにより茶芽の生育量を計測、データを無線LANで解析PCに送ることで生育分布を解析・可視化できるシステムを開発した。これにより茶園内の生育量分布が自動的にかつ的確に得られ、継続的計測により生育量分布の時間的変動も得られる。
キーワード 茶園、自動走行、超音波センサ、生育量分布、時間的変動野菜・茶業試験場・茶利用加工部・製茶システム研究室
背景・ねらい 圃場内の茶樹の生育が均一と仮定して肥料等を一様に散布する従来の管理に対して、生育のばらつきに応じて適切な管理を行う精密管理体系を実現するためには、生育のばらつきを的確に把握するシステムが必要となる。従来、生育量の計測は数カ所の枠摘みの平均値から圃場内の代表値を求める手法であった。しかし、これはばらつきの情報を積極的に利用する精密管理体系にとっては不十分な計測手法である。そこで、圃場内を自動走行し、搭載した超音波センサで生育分布を計測し、かつ、データの収集・整理を自動で行う計測システムを開発する。
成果の内容・特徴
  1. 茶園に敷設したレール上をモータを動力として自走する台車に、超音波センサ、位置検出センサ、モータコントローラ、プログラマブルコントローラ、無線装置、これらを制御するコンピュータを搭載する(図1a)。
  2. センサからの計測値は制御プログラムにより自動で収集される。超音波センサの計測位置の調整や畝端での機体の停止等、計測に関わる動作は制御プログラムによりすべて自動制御される。計測データは無線によりデータを解析・管理するコンピュータに転送され、メッシュデータに整理される(図1b)。
  3. 圃場全面の計測により生育量分布がメッシュマップとして得られる(図2)。また、非接触・非破壊計測であるため、継続的に計測することで生育量分布の時間的変動も得られる。なお、生育量とは樹冠面上に伸長している新芽の重量を意味する。
  4. 生育量の計測には超音波距離計を応用したセンサを用いている。センサは樹冠面の上方に位置し、生育に伴う樹冠面高さの変位から茶芽の量を推定する。実際に茶芽を摘取り検証したところ、センサ出力と生育量の間には高い相関が認められる(図3)。
  5. データを解析・蓄積するコンピュータでは、計測データから必要とする情報を抽出し、メッシュマップとして可視化する、GUIプログラムが動作する。これにより任意のメッシュサイズでの表示や異なる計測日のデータの比較が容易に行える(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 今後、茶園における精密農業の研究を進める上で、生育分布を的確に把握するための計測手法として活用できる。
  2. 本システムの台車、制御システムおよびデータ解析プログラムを利用すると、超音波センサ以外の手法による計測にも応用できる。
  3. 利用場面はレール敷設茶園に限定される。
図表1 227686-1.jpg
図表2 227686-2.gif
図表3 227686-3.gif
図表4 227686-4.jpg
カテゴリ 肥料 加工 自動制御

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