集落地域整備地区の新規宅地の換地手法

タイトル 集落地域整備地区の新規宅地の換地手法
担当機関 農業工業研究所
研究期間 1993~1994
研究担当者
発行年度 1994
要約 市街化調整区域の土地利用秩序の形成を目的としてできた、集落地域整備の事業推進の技術的隘路となっている換地評価手法の適用方法について提案した。提案の骨子は、新規宅地区域の生み出しのためこれの取得を希望するものとしないものとの間で土地交換をするが、原則として「等積・等価」を基礎とする評価手法である。
背景・ねらい 市街化調整区域(農振法の農振地域と重複するのが一般的)は都市計画で指定され、本来都市化を抑制する地域だが、実態は大量の開発が行われ、スプロールの原因となっている。これに対して、適切な開発誘導によって農地保全と良好な居住環境(新規宅地)の形成を図ろうとしたのが集落地域整備法とこれに基づく事業である。
集落地域整備事業では、新規宅地用地は2段階の手続きで整備される。まず、圃場整備事業(農水省)で宅地用地を生みだし、土地区画整理事業(建設省)で区画の整形等を行う。こうした一見迂遠な方法は土地の農業的利用と都市的利用の評価が異なるため避けられない。基盤整備事業の中で用地の生み出しや、農地の集団化、区画の整形化のために所有権の位置を移動する手法に「換地」があるが、圃場整備で宅地の区画整理まで行おうとすれば一回の換地で異なる評価基準を同時に用いるという矛盾を生じる。このため、換地が2回必要だが、(1)土地評価と(2)事業手続きの双方で連続性の維持が困難である。
二つの異なる換地は、住民の利害評価に差を生み事業半ばで住民の反対にあうおそれもあるため、事業のもつ土地利用秩序化効果の大きさにも係わらず現場担当者は事業を敬遠しがちである。事業の推進にはこうした隘路の打開が不可欠である。
成果の内容・特徴 換地評価手法に焦点を当て、評価の連続性を保持する技術として以下の提案を行った。
  1. 新規宅地の生みだしで評価の連続性を確保するには、圃場整備の非農用地換地の段階で後続の土地区画整理の換地を考慮した評価が必要である(圃場整備と土地区画整理の換地評価で基本的に異なるのは「位置」の扱い。位置は前者では評価しないが、後者では最重要因子)(図1)。一般的には土地区画整理の換地評価は道路との位置関係・区画形状等の要素を考慮した「路線価式」を用いるのが適当だが、地価水準が低い地域では面積の保全を基礎とした「地積式」を用いることもできる(図2)。
  2. 地積式のもとでは圃場整備と土地区画整理の換地評価とは大きな食い違いを生まないため、圃場整備換地を独立にできるため、技術者の負担が軽減される利点がある(圃場整備と土地区画整理の双方の換地技術をもつものは極めて少ない)。
  3. 非農用地換地における新規宅地の設定では、予定地に入る土地と農地の区域に出ていく土地とができるが、圃場整備の換地段階では開発利益をこの交換で得るのは妥当ではないため相互に交換比率を設けず、「等積・等価」とするのが妥当である(式(1)、(2))。
ただし、ここではトータルで等積(圃場整備の換地評価側の要求)。非農用地区域に確保される面積は割り込まれる位置の路線価(地積式)評価に応じて面積を比例配分(後の土地区画整理の換地評価側の要求)すれば、これを土地区画整理の従前地とできる。
需要先:土地改良区、市町村、都道府県、国、計画コンサルタント
期待される活用面:(1)集落地域整備計画作成の現場指針、(2)行政参考資料
成果の活用面・留意点 需要先:土地改良区、市町村、都道府県、国、計画コンサルタント
期待される活用面:(1)集落地域整備計画作成の現場指針、(2)行政参考資料
留意点:提案した土地評価手法の選択の可否は、地区の地価水準や住民の意識等によって変わる。選択に当たっては住民の意向を確認して慎重に行う必要がある。
図表1 227694-1.gif
図表2 227694-2.gif
図表3 227694-3.gif
カテゴリ 評価基準

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