タイトル | 急勾配集落排水管路の粗度係数 |
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担当機関 | 農業工学研究所 |
研究期間 | 1995~1995 |
研究担当者 | |
発行年度 | 1995 |
要約 | 急勾配の農業集落排水管路の設計に用いるマニング式の粗度係数について検討した。管径150~200mm,勾配0.05~0.18の塩ビ管について,粗度係数を0.010とした計算値は実験値とよく一致し,このような水路の粗度係数として0.010が適用できることがわかった。 |
背景・ねらい | 地形勾配の大きな場所で農業集落排水管路を緩勾配とすると,マンホールの設置数が多くなる。このような場所では,水路勾配を限界勾配を越えても急勾配とした方が費用と工期の面で有利である。 開水路の平均流速公式は一般にマニング式が広く用いられ,農業集落排水管路についても同様である。しかし,従来の設計法は緩勾配管路を対象としているため,急勾配管路に対する粗度係数として,緩勾配管路に対するものと同じ0.010を用いることの妥当性を検証する。 |
成果の内容・特徴 | 1.管径150~200mm,勾配0.05~0.18の塩ビ管を用いて水理実験を行い,水深(水面中央の水深)と流量の関係を求めた。その値と,粗度係数を0.010としたマニング式による計算値とを比較するとよく一致した。(図1,図2) 2.実験値より逆算して求めた粗度係数と水探を比較した。その結果,射流に関して-般に指摘されるように,水深の増加と共に粗度係数が増加する傾向があった。しかし,急勾配の管径150~200mmの塩ビ管に,一般的な緩勾配管路で想定される最大計画流量が流れるときの水深は概ね0.08m以下となること,及び粗度係数が約0.008~0.012であればある流量に対する水深が粗度係数を0.010としたときの±10%以内となる。そのため,農業集落排水管路の粗度係数は,勾配に関わらず0.010として実用上問題はないといえる。(図3) |
成果の活用面・留意点 | 急傾斜地における,農業集落排水管路や小規模な農業用排水路(円形断面開水路)の設計に活用することができる。基本的に本成果の適用範囲はここで対象とした管路,すなわち管路150~200mmの塩ビ管で勾配0.05~0.18のものである。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | 傾斜地 |