振動による自己逆洗方式のパイプライン用自動除塵装置・選定システム

タイトル 振動による自己逆洗方式のパイプライン用自動除塵装置・選定システム
担当機関 農業工学研究所
研究期間 1997~1997
研究担当者 吉田弘明
山岡 賢
小泉 健
新技術開発組合
発行年度 1999
要約 畑地潅漑用のパイプラインにおけるゴミ詰まりに対処するため、分解不要で、維持管理のしやすい、スクリーンネットが振動して自ら洗浄する(自己逆洗方式)除塵装置である。また、管理方法、管理費の条件に合わせて手動式から全自動式の選択ができ、地区に適応した除塵装置の選定システムも示す。
背景・ねらい 日本における畑地潅漑施設は、ゴミの流入により大きな影響を受けている。その影響を排除するため、除塵施設等が各施設ごとに設置されているが、外国製品が主体で単価が高いこと、ゴミを除去するために分解を必要とするなどの課題がある。農業農村整備事業による畑地潅漑地区の生産性向上をより一層支援するねらいで、分解不要で、水圧を利用してゴミを外部に排除できる除塵装置とその選定システムの開発を目的とした。なお、本研究は、構造改善局の「官民連携新技術研究開発事業」に基づく交流共同研究により実施したものである。
成果の内容・特徴 全国の畑地潅漑地区の調査を行い、ゴミの現状を把握して装置開発のコンセプトを絞った。対象とするゴミは、小石、木葉、アオコ、水草等の固形物である。主な特徴は次の通りである。
  1. 手動式の場合の除塵装置の作動方法(図1)
    1)ゴミが集まり、入口と出口の圧力の差が一定値以上となれば、入口・出口の弁V1とV2を閉じる。
    2)ハンドルを回すとカムが回転し、金網がバネの力で急激に上下に振動し、ゴミが剥離する。
    3)弁V3を開き、弁V1を少し開くと下部に堆積したゴミは外部に排出される。弁V3を閉じ、V1とV2を全開することで通水が開始される。この作動により分解不要で容易に除塵ができる。
  2. 除塵装置の効果
    1)圧力の差の感知、バルブの開閉、ハンドルの回転、ゴミ日の排出までの一連の操作が自動化でき、地区全体の集中監視による施設管理も可能となる。
    2)金網の目の大きさは0.5~5mm、パイプラインの口径がφ50~φ600mm程度まで設置が可能で幅広い範囲に対応し得る。
  3. 選定システムの開発
    1)この装置は管理方法や管理費の内容に応じて手動式から自動式の選択ができる。(図2)
    2)選定システムは、図3に示すように(1)中間水槽、開水路、ファームポンドの有無という幹線パイプラインの形式にかかる条件、(2)ポンプ加圧と他の制制御施設の有無という支線系水路パイプラインの形式、更に(3)末端施設とてのスプリンクラー・給水栓・ドリップ潅漑の有無等の各地区における現況の条件を入力することにより最適な除塵装置のシステムの設計内容が明確になるものである。
成果の活用面・留意点 今回開発した除塵装置は口径200mmであり、今後様々な口径及びゴミの種類の変化による実証を継続する必要がある。
図表1 227820-1.gif
図表2 227820-2.gif
図表3 227820-3.gif
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