タイトル |
農業環境指標による多面的な農村の地域診断のための汎用ソフト |
担当機関 |
(独)農業工学研究所 |
研究期間 |
1999~2001 |
研究担当者 |
山岡 賢
小泉 健
瀬戸口洋一(鹿児島県)
凌 祥之
齋藤孝則
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発行年度 |
2001 |
要約 |
農村の現状を多面的にとらえるために、主成分分析手法を用いた地域診断手法を用いて、全国の地域診断を容易に行える汎用ソフトを開発した。この手法は、当該地区の経済活力、農業活力、自然環境度を全国平均値に対してどのような位置にあるかを簡易に評価することができる。
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背景・ねらい |
土地改良法の改正にみられるように環境に配慮した事業が求められているが、それぞれの地域が全国的な相対評価においてどのような現状にあるかを客観的に把握することが最も重要である。また、農業農村整備事業を実施する場合どのような効果をもたらすかを把握しておくことも必要となる。そのためには、計画担当者が容易に利用できる客観的手法であることなどが求められる。
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成果の内容・特徴 |
- モデルに用いた29個の指標を表-1に示す。これらの指標は地域活力度図鑑(農林水
産長期金融協会)、日本河川水質年鑑(国土交通省)、環境保全機能に関する類型化 研究(農工研)の成果をもとにしたものである。
1990年を基準年とし、主成分分析の寄与率の大小から農業活力、経済活力及び自然環 境度と位置付けられる三次元の評価手法を開発した。全国市町村の平均値をゼロとして 設定し、主成分分析の説明力を示す累積寄与率は60.1%であるが、この手法の有効性は 既に公表している1)参照。
- 水質に係わる7指標(その他の22指標は、市町村単位にデータベースとしてソフトにに入力済み)について地区を代表する値を入力することで算定が可能となる(表-1)。
- 農業の生産性(指標1から8)や自然環境の度合(指標18から24)を表す数値について改善目標値を入力する(例えば1戸当たり経営耕地面積、SS(mg/l)浮遊物質量等)ことで事業実施による効果を事前に推定できる方法となっている(表1)。
- 算定フローチャートを図1に示した。当該ソフトは、一般的なOS(Microsoft Windows)で起動でき、Microsoft Excelのマクロ機能を利用して、計画 担当者が操作、 解析ができ、算定結果は可視化されており、判定においても容易である(図2 算定画面 図参照)。容量も1枚のフロッピーディスクに収まる利便性の高い内容となっている。
- 図3に診断結果の一例を示した。この例では複数市町村にまたがる国営灌漑排水事業 地区を3例あげている。各地区の現状が全国平均値と比較して評価できる.
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成果の活用面・留意点 |
- 最小単位は市町村である。
- 今後生物多様性に関するデータや2000年の値の入力等 により、より幅の広い視点からの地区の現状診断に拡張する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
経営管理
診断技術
データベース
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