22.軽焼マグネシア系土壌硬化剤による地表面マルチング技術

タイトル 22.軽焼マグネシア系土壌硬化剤による地表面マルチング技術
研究期間 2001~2002
研究担当者 若杉晃介
谷本 岳
藤森新作
発行年度 2002
要約 軽焼マグネシア系土壌硬化剤と糊材のスラリーを地表面に薄く散布することによって、降雨等に伴う土壌浸食の防止及び雑草抑制ができる。また、現地土壌と同硬化剤による粒状の成型物を20mmの厚さで敷き均すことによっても浸食を防止できる。農業工学研究所・農地整備部・水田整備研究室
背景・ねらい 農地等が裸地状態の場合には、降雨等にともなって土壌流亡が発生する恐れがあり、この対策を必要としている。また、いずれの作物を栽培する場合も、雑草対策が大きな課題である。そこで、軽焼マグネシア系土壌硬化剤を用いた地表面マルチング技術を開発し、その効果を検証した。
成果の内容・特徴
  1.  本土壌硬化剤は、軽焼マグネシアと溶性リン酸肥料又は炭酸塩を主原料としており、pHが中性域であり生物の生息に影響を与えない。固化物を粉砕すれば肥料として土に戻すことができるなどの特徴をもつ。

  2.  本硬化剤のスラリー(重量比で水100、固化材15、糊材0.4)を地表面に散布することによって、厚さ1mm程度の被膜を形成できる。

  3.  降雨に伴う土壌の流出・濁水の発生が防止できる。この場合、2~4/m2のスラリー散布量であれば、現地土の透水係数のオーダーを変化させるほどの透水性の減少は生じない(表1、図1)。

  4.  スラリーにバガスなどのファイバー材を混入することによって、マルチング効果が更に高まる(表1)

  5.  雑草の抑制に効果がある。一方、二葉以上に成長した植物に直接散布しても無害である(図3)。

  6.  重量比で現地土100に対し本硬化剤を10~15程度添加して粒状に成型したものを、地表面に20mm以上の厚さで敷き詰めれば、浸食防止が図れる。また、暗渠疎水材としての利用も可能である(図4)。


成果の活用面・留意点
  1. スラリーは粘性があるため、小面積ならジョーロで散布する。一方、ブームスプレイヤーによる散布はノズル詰まり等が発生し難しいことから、今後は専用の散布機を開発する計画がある。

  2. スラリー被膜の耐久性は最大で3ヶ月程度である。また、粒状成型物は地表面に散布した場合で5年程度、暗渠疎水材として土中に埋設すれば半永久的である。


カテゴリ 肥料 病害虫 雑草 水田

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