34.底泥土を有効利用したため池の新改修工法

タイトル 34.底泥土を有効利用したため池の新改修工法
研究期間 2001~2003
研究担当者 谷 茂
田頭秀和
発行年度 2002
要約 従来は廃棄していたため池の底泥土にセメントを混ぜ固化した後に、一度破砕することにより普通の土と同じような変形性をもつ固化土を作成し、締固めを行い盛土に再利用する工法で、コスト縮減とリサイクルが可能になる。独立行政法人農業工学研究所・造構部・上席研究官
背景・ねらい ため池は、築造年代が古く老朽化して、ため池周辺の市街地化が進んだ地域では、漏水だけでなく、地震や豪雨時のため池決壊による二次災害が懸念されるため、緊急に改修が必要とされている。このような地域では、住宅や民地が迫り事業用地が不足する場合が多い、堤体の改修・補強に必要な盛土材や遮水材をため池周辺で確保しにくい、
ため池に底泥土が堆積し、貯水容量の減少、水質の悪化等の問題が生じている。また
工事に伴う騒音・振動等が住環境を損なわないように進める必要がある。改良した底泥土を利用する新しいため池改修工法を開発してこの問題を解決する。
成果の内容・特徴
  1. 本工法はため池の底泥土にセメントを混ぜ、固化した後に破砕して締固めを行い盛土材に再利用する工法である(図-1、2)。小さなひずみで最大強度を示す特徴をもったセメント固化土(初期固化土)を、一度破砕することにより大きなひずみで最大強度が発生する土(破砕・転圧土)になり、クラックの入りにくいものとなる(図-3)。また破砕の粒径を変えることにより盛土の用途に合わせた透水係数を得る事も可能になる(図-4)。

  2. 掘削した旧堤体土に、底泥土、セメントを混入して、高強度の築堤材として再利用するため、旧堤体と同じ断面であっても構造的に強いため池に改修できる。

  3. 盛土材を確保するための土取場造成による環境への影響、底泥土を捨てるための土捨場の造成などの周辺環境への影響が少ないなど、環境にもやさしい工法である。また、この工法では、底泥土の廃棄費用、築堤材のための新たな用土購入が不要などの直接的なコスト縮減が期待され、事業経費の縮減を図りながら災害に強いため池にリニューアルすることが可能である。

成果の活用面・留意点
  1. 実際の工事では砕・転圧土を保護する為に覆土をすることが重要である。

  2. ほとんどのため池底泥土に適用可能であるが、セメント混入量、破砕時期を最適化するため、それぞれの現場で土質試験を行う必要がある。



図表1 227927-1.gif
図表2 227927-2.gif
図表3 227927-3.gif
図表4 227927-4.gif
カテゴリ コスト

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