7.選択実験を利用した都市農村交流施設の事前評価法

タイトル 7.選択実験を利用した都市農村交流施設の事前評価法
研究期間 2002~2003
研究担当者 遠藤和子
合崎英男
八木洋憲
発行年度 2003
要約  都市農村交流施設の施設内容と都市住民による評価との関係を定量的に明らかにするために選択実験を利用した手法を開発した。この手法を利用することで、いずれの施設整備計画案が都市住民の要望により適しているかを事前評価できる。
背景・ねらい  都市農村交流施設は、都市住民が施設を訪問して財・サービスを購入・消費することで、その役割を果たす。したがって、施設整備にあたっては、当該施設を訪問する可能性のある都市住民がどのような交流内容を望んでいるのか事前評価することが重要である。施設が存在しない状態で実施される事前評価には仮想評価法(CVM)の有用性が指摘されているが、仮想評価法ではどのような内容の施設が高く評価されるかといった施設内容と評価との関係を検討することが困難である。
そこで、施設の内容と評価との関係を定量的に事前評価できる手法として、選択実験を利用した方法を開発する。
成果の内容・特徴
  1.  対象とする都市農村交流施設を構成する内容(設備等)を決定し、直交配列表を利用して選択肢を作成する。ここでは農業・農村環境体験公園(以下、公園と略す)を想定する。公園は4つの広場から構成され、ある世帯による公園の訪問意向は、各広場の有無、自宅から公園までの距離、公園の利用料金により決定されると考え、それらを選択実験の属性(表1)とした質問を直交配列表から作成した(図1)。
  2.  ケーススタディの結果では、4種類の広場のうち景観広場が最も高い評価を得ており、次いで野鳥観察広場、生き物広場、農業体験広場の順に相対的に評価が低下していた(表2)。各広場に対応するダミー変数の係数推定値を利用料金の係数推定値で除して得た値に-1を乗じることで、1世帯あたり公園利用料金に換算した各広場の評価結果が得られる。今回のケースでは、景観広場は2,664円、野鳥観察広場は1,844円、農業体験広場は1,312円、生きもの広場は1,351円であった(図2)

成果の活用面・留意点
  1.  都市農村交流施設の導入を検討している地方自治体や農協等の団体が施設内容を事前に検討するときに活用できる。
  2.  計測結果を利用することで、公園の内容と評価の関係だけではなく、公園までの距離が評価に与える影響を貨幣単位で求めることができる。
  3.  施設の設置目的に適った施設内容の方向性がある程度定まり、いずれの計画案を選択するかという状況で利用するのが最も有効である。計画案が不明確な状況では評価対象とする施設の内容等を回答者に説明することが困難なためである。




図表1 227955-1.gif
図表2 227955-2.gif
図表3 227955-3.gif
図表4 227955-4.gif
カテゴリ 評価法

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