45.比抵抗モニタリングによる不飽和帯の水分変化の可視化

タイトル 45.比抵抗モニタリングによる不飽和帯の水分変化の可視化
研究期間 2002~2004
研究担当者 奥山武彦
黒田清一郎
中里裕臣
朴 美京(JSPS)
発行年度 2003
要約  繰り返し自動測定を可能にする電気探査装置の開発と、差トモグラフィ解析法の採用により、比抵抗の変化から不飽和帯における相対的な水分量変化を非破壊で可視化できる。
背景・ねらい  地盤環境汚染の機構解明や将来予測のためには、地下の水分分布を支配する不均一な地質構造と汚染物質や水分の移動を広域的かつ経済的に把握する手法の確立が求められている。本研究ではこのような手法として電気探査による比抵抗モニタリング法を取り上げ、不飽和砂礫層への人工涵養試験をケーススタディとして、涵養水の移動に伴う飽和度変化を比抵抗変化として捉え、不飽和帯の相対的な水分変化を可視化する手法を開発する。
成果の内容・特徴
  1.  電気探査による2次元探査では1断面当たり数百~数千データを取得するため、測定時間が数時間におよび、変化の早い現象のモニタリングは困難であった。そこで、1回の送信で複数データの取得が可能な2極法電極配置と3チャンネル受信器を持つ電気探査装置の組み合わせにより、電極数60点、1断面当たりのデータ数782点の探査を30分以内で可能にするシステムを構築した。さらに、電気探査装置を外部PCにより制御し、連続自動測定を可能にする探査システムを開発した(図1)。
  2.  現地試験では直径2m、深さ3mの浸透マスとの接点を中心とする電極間隔2m、測線長78mの探査測線を設置し、涵養開始前の探査データを初期値として涵養開始後12時間にわたり12回の計測を行った。データ解析は次式

    正規化データ=2回目の測定値/初期値×初期値解析結果からの理論計算測定値
     で求められる正規化データを用いて個々の測定に共通するノイズの影響を除去し、微少な比抵抗変化を精度良く求められる差トモグラフィ解析法を用いた。解析結果は初期値に対する比抵抗変化率の分布図に可視化した。調査中降雨はなかったため、比抵抗の減少は涵養水の浸透による飽和度の増加を示すと考えられる。
  3.  図2の比抵抗減少部の変化から涵養の初期には浸透マスからの垂直浸透が生じ、涵養水が地下水面に達すると紙面右(斜面の下流方向)への横浸透に転ずる様子が読み取れる。地下水面付近の比抵抗変化率の変化(図3)から涵養水の地下水面への到達時間は5時間と読み取れ、調査井における涵養開始から地下水位の上昇開始までの時間と一致する。さらに、比抵抗減少部の拡大方向は斜面方向と一致する。以上により、本手法は地表から地下の相対的な水分変化を可視化し、浸透速度や移動方向の推定を可能にする。

  4. 成果の活用面・留意点
     本手法は1断面あたりの測定時間を変化させることにより幅広い速さの水分変化に適用でき、地盤環境汚染調査のほかに斜面の降雨浸透の可視化などの防災調査等にも応用可能である。




    図表1 227993-1.gif
    図表2 227993-2.gif
    図表3 227993-3.jpg
    図表4 227993-4.gif
    図表5 227993-5.jpg
    図表6 227993-6.gif
    カテゴリ モニタリング

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