土壌細間隙中を流れる粘土フロックの流動特性

タイトル 土壌細間隙中を流れる粘土フロックの流動特性
担当機関 (独)農業工学研究所
研究期間 2002~2004
研究担当者 大井節男
発行年度 2004
要約 粘土フロックの流動を毛細管で調べ、細間隙中でのフロック破壊とスリップの発生を確認することにより、粘土に吸着して移動する汚染物質の土中での動態把握が可能である。さらに、そのモデル化と定量化により粒子間の結合強度が算定できる。
キーワード
粘土フロック、毛細管、フロック破壊、スリップ、粒子間の結合強度
背景・ねらい 土中の汚染物質は粘土に吸着して移動することが多く、粘土の挙動は汚染物質の挙動に影響する。土中での汚染物質拡散の解析技術に資することを目的として、粘土の細間隙中での挙動を明らかにする。ただし、粘土は多数の粒子が集まりフロックをつくるので(図1)、フロックを細管中で流しその流動特性を明らかにする。さらに、得られた知見に基づき、フロックの強度や大きさの算定方法を提示する。
成果の内容・特徴 細間隙中での粘土フロック懸濁液流動の測定から、管壁でのスリップ(流動粒子が管壁に近づきにくいため発生する低粘性の潤滑層による)と粘性力によるフロック破壊の発生とを明らかにした。さらに、この現象のモデル化から、フロックを構成する粒子間の結合強度を算定し妥当な値を得た。ただし、試料は最も大きなフロックをつくる粘土(Na-モンモリロナイト)を用い、管径を変化させたときの粘性変化を測定した。
  1. フロック懸濁液の毛細管流動では、管壁面でのスリップとフロック破壊が同時に生じた。
  2. NaCl濃度が高いとき(0.8mol/L)には、結合力が強くなり大きなフロックができるためスリップ効果が顕著となる。管径が小さくなるとともに見かけの粘度(流量から算定した粘度)が減少する効果が見られた(図2)。これから算定されたスリップ層の厚さ(図3)はフロック径の0.28倍となった。
  3. NaCl濃度が低いとき(0.3mol/L)には、壊れやすいフロックができフロック破壊が顕著となる。管径増加とともに見かけの粘度が減少する効果が見られた(図4)。
  4. 毛細管流動に中心部懸濁層と管壁部スリップ層からなる二相流動モデル(図5)を適用し、流体中でのフロック破壊の理論を用いると、粒子間の結合強度は10-9Nのオーダーと算定されNaCl濃度の増加とともに大きくなった(図6)。
成果の活用面・留意点 異なる管径の毛細管流動の比較から粒子間の結合強度が算定できる。
図表1 228009-1.jpg
図表2 228009-2.gif
図表3 228009-3.gif
図表4 228009-4.gif
図表5 228009-5.gif
図表6 228009-6.gif
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