大規模農業用パイプラインのGISを用いた保守履歴管理システム

タイトル 大規模農業用パイプラインのGISを用いた保守履歴管理システム
担当機関 施設資源部
研究期間 2004~2006
研究担当者 井上敬資
中西憲雄
中達雄
中里裕臣
発行年度 2006
要約  農業用パイプラインの施設情報をGISデータとして保有し、維持管理データを継続的に管理者が入力することで、履歴管理データの省力的かつ一元的な管理や視覚的な把握ができ、要点検箇所の抽出や保全管理計画の策定が支援できる。
キーワード 機能保全、農業用パイプライン、履歴管理データ、GIS
背景・ねらい  大規模パイプラインの漏水事故等は、農業用水のみならず、人命や財産など、地域社会に対しても大きな被害を与えるリスクを有している。今後、耐用年数が過ぎた施設数が増大することから、限られた予算のもとで農業水利施設の最適な整備計画を策定する手法の開発が課題となっている。そこで、本研究は農業用パイプラインの機能保全計画の策定を支援する継続的な維持管理データの履歴管理システムの構築およびシステム構築のためのマニュアルの整備を目的とする。
成果の内容・特徴
  1. 本システムは,ESRI社製ArcView上に構築したデータベースシステムと情報分析・出力用のプログラム群からなり(図1),GISデータとして整備した農業用パイプラインの施設諸元や供用年数、水撃圧、計画流量、事故率分布など機能保全の計画策定に必要な情報の位置情報と属性情報を一元的に管理できる(図2)。
  2. 継続的に漏水事故・補修整備・点検・調査の情報を入力し、事故頻度や補修費の変化をグラフ表示するプログラムを作成した(図3)。施設状況の変状を時系列的に監視することにより施設の機能診断時期の意志決定を支援することができる。
  3. 地図表示画面上(図2)で任意の管路を選択することで選択した管路の縦断図を表示するプログラムを作成した(図4)。縦断図には、管路の縦断形状および静水圧、経験則による水撃圧、漏水事故・補修・点検・調査地点が表示され、各地点における圧力分布や管路構造の把握が可能である。
  4. 入力データおよびデータベースから任意の演算により新たなデータを作成し、レイヤとして追加するプログラムを作成した(図5)。「事故率×計画流量」分布など機能保全計画の策定に有効となる指標の作成が可能であり、継続的に更新される指標を視覚的に評価することが可能である。
  5. 事例地区においてシステムの運用・改善を行うとともに、システム構築のための開発マニュアルの整備を行った。これにより、システムの構築が容易であり、運用にはGISに関する専門知識は不要である。
成果の活用面・留意点
  1. システム構築のためのマニュアルおよび開発プログラムは施設の管理者である土地改良区および関連行政部局を対象に提供が可能である。
  2. 機能診断結果やLCCの計算結果等をレイヤとして追加することにより、機能保全計画の策定において、より有効な指標の作成・表示が可能である。
図表1 228106-1.gif
図表2 228106-2.jpg
図表3 228106-3.jpg
図表4 228106-4.jpg
図表5 228106-5.jpg
カテゴリ 管理システム データベース 水管理

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