農業用水路の劣化進行予測と補修・更新費用の算定を支援するソフトウェア

タイトル 農業用水路の劣化進行予測と補修・更新費用の算定を支援するソフトウェア
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研究所
研究期間 2006~2008
研究担当者 加藤敬
北村浩二
本間新哉
発行年度 2008
要約  農業用水路特有の摩耗や継目劣化をはじめとする多様な劣化状況について、マルコフ連鎖など複数のモデルを駆使し劣化進行予測を行い、施設のライフサイクルにおける補修・補強・更新に係る対策の適切な時期の選定、費用算定までの一連の作業を行う。
キーワード 農業用水路、劣化進行予測、ストックマネジメント
背景・ねらい  農業水利施設の施設劣化状態の診断から対策工事の実施までを一貫してできる「基幹水利施設ストックマネジメント事業」が平成19年度に創設され、また併せて国が造成した施設の劣化状況の診断を全国的に実施する制度整備が行われた。ストックマネジメントを推進する上で施設の将来状態の劣化進行予測を行い、また既存施設を対象とした適時の補修・補強・更新に係る費用算定と必要に応じた対策時期の調整を行うことは非常に重要な工程である。これらの作業を事業実施現場で的確に行うためには、劣化進行予測や費用算定及び対策時期の調整を効率的に行うことが求められる。 そこで鉄筋コンクリート製農業用開水路(以下、農業用水路)を対象とし、現場技術者が実施した施設の診断結果を用い、劣化進行予測から費用算定等までの一連の作業を一つのパッケージで実施するソフトウェアを作成する。
成果の内容・特徴
  1. 本ソフトウェアは、農業用水路の診断結果を蓄積する「診断情報ファイル」、将来の劣化状態を予測する「劣化予測ファイル」、補修・補強・更新対策工法と対策時期を設定する「対策工法シナリオファイル」とこれらを統合的に管理する「費用算定システムファイル」の4つのファイルにより構成され、表計算ソフトExcel(2003)の環境で作動し、マクロプログラムを使用することにより簡易な操作で劣化進行予測及び費用算定等までの計算を短時間で実行する。
  2. 劣化進行予測には対象とする農業用水路の診断結果を用いて、①農業用水路に特有の劣化メカニズム(摩耗・継目劣化)を対象とした水路ブロック毎の劣化進行状況を予測するプログラム(単一劣化曲線に基づく予測)、②鉄筋コンクリートに共通する劣化メカニズム(中性化、塩害等)に対する既往の知見による予測手法に新たな知見を補完して水路ブロック毎の劣化進行を予測するプログラム(既往の知見に基づく予測)、③水路系全体の将来の劣化進行割合を算定し施設全体の対策時期の決定に役立つ劣化の状態分布を予測するプログラム(マルコフ連鎖に基づく予測)の3種類が用意されている。
  3. 対策費用の算定では予測結果を用いて、技術者が設定する複数の対策の組合せに対応した適時の補修・補強・更新費用算定と、年度の実施予算が限られた場合に対応する対策時期の調整(平準化)を実施する。
成果の活用面・留意点
  1. ストックマネジメントを担う土地改良調査管理事務所等の現場技術者が活用できる。
  2. 現場技術者はストックマネジメントに関する一連の流れを容易に追っていくことが可能であり、劣化進行予測や補修・補強・更新計画のスムーズな策定を支援する。
図表1 228185-1.gif
カテゴリ ストック 水管理

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