1990年農業センサスよりみた農業構造の展望――西暦2000年の農家構成の予測――

タイトル 1990年農業センサスよりみた農業構造の展望――西暦2000年の農家構成の予測――
担当機関 農業総合研究所
研究期間 1992~1992
研究担当者
発行年度 1992
要約 1985年から1990年にかけての経営規模別・就業状態別・農業専従者の年齢階層別の農家戸数の移動を分析した。この移動状態に基づく移動確率行列によって西暦2000年の規模・状態・年齢階層別農家戸数を予測した。
背景・ねらい 農業労働力の高齢化などによる農業構造の脆弱化が指摘され,将来における農業生産の担い手
の不足が危惧されている。そこで農業生産の中核的な担い手とされる「中核農家」(60歳未満
の男子専従者のいる農家)を中心とする農業構造の変化を分析するとともに,将来の中核農家戸
数及びその経営規模等の指標をマクロ統計データに基づいて予測する。具体的には,経営規模
別・就業状態別・農業専従者の年齢階層別の2000年の農家戸数分布を北海道・都府県別に予測
し,1戸当たり耕地規模等の経営指標をも併せて予測する。
成果の内容・特徴
  1. 1985~1990年の5年間における就業状態・年齢階層・経営耕地規模別の農家の移動を一表にま
    とめた「動態表」を農業センサスデータより作成し,これに基づいて農業構造の変化を分析し
    た。さらに,動態表から5年間の農家の移動を移動確率行列の形に定式化して,いわゆる
    Markov=Chainによるモデルによって将来の農業構造の予測を行なった。またこのモデルの中で
    ,「構造政策パラメーターβ」を定義しこれによる農業構造の変化,特に中核農家の経営耕地
    規模に対して構造政策が与える影響を,特に土地集積と経営耕地規模の変化を中心に分析した。

  2. 2000年における農家戸数は1990年に比べ都府県で18.1%,北海道で23.8%減少し3,137千戸にな
    ると見込まれ,このうち中核農家戸数は都府県で38.8%,北海道で18.1%それぞれ減少し394千
    戸になると見込まれる。この結果中核農家の戸数シェアは,都府県では減少するものの,北海
    道では若干高まるものと見込まれる(表1)。 
  3. 都府県では中核農家全体に占める3ha以上層のシェアが15.5%から23.1%へ,北海道では20ha以
    上層が30.2%から42.3%へそれぞれ拡大し,平均経営規模も拡大が見込まれる。
成果の活用面・留意点 動態表による農業構造の予測は,全国だけでなく,県あるいは主要農業地域別にも応用出来る。
その場合,抽出データでなく全農家に基づく動態表を使用する必要がある。
図表1 228236-1.gif
カテゴリ 経営管理

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