アメリカのトウモロコシ産業における単収変動と需給調整政策

タイトル アメリカのトウモロコシ産業における単収変動と需給調整政策
担当機関 農業総合研究所
研究期間 1992~1995
研究担当者
発行年度 1992
要約 アメリカのトウモロコシ産業の計量経済モデルを構築し,モンテカルロ法を使って,単収変動の拡大が市場に与える影響を分析した。また,作付調整や政府在庫管理等の需給調整政策の価格変動抑制効果を分析した。
背景・ねらい 北米では1970年代半ば以降気象変動が拡大しており,トウモロコシの単収変動も拡大して
いる。一方,1990年農業法では,財政削減のために政府在庫水準の引き下げが企図されて
おり,環境保全への配慮の高まりから保留休耕面積の拡大も企図されている。そこで,ア
メリカのトウモロコシ産業の需給モデルを構築し,90年農業法施行期間について,単収変
動拡大の市場への影響とその需給調整政策による抑制効果を検討した。
成果の内容・特徴
  1. アメリカのトウモロコシ作柄指数の標準偏差は,1961~75年間の8.5から1976~89年間の
    11.8へ拡大しており,70年代半ば以降,単収変動が高まっていることが確認された。
  2. 1990年農業法の施行期間について,70年代半ば以降の単収変動の拡大を仮定し,現行の需
    給調整政策がそのまま継続された場合,トウモロコシの市場価格がこれまで適正価格帯と
    考えられてきた目標価格とローン・レートの間に留まる確率は約2年に1度と意外に小さ
    いことが確認された(図1,
    表1)。
  3. 単収変動に起因する価格変動を抑制する需給調整政策としては,輸出依存度の高いアメリ
    カのトウモロコシ産業の場合,単年度毎の作付面積の微調整よりも,政府在庫の管理の方
    がより有効であることが確認された。
成果の活用面・留意点 単収変動が農産物市場に与える影響に関しては,これまでそれを計量的に評価することが
難しいとされてきたが,本研究のように農産物市場の計量モデルを構築し,それにモンテ
カルロ法を適用することによって,その影響を確率的に取扱うことが可能であることが確
認された。ただし,本研究での需給調整政策の価格変動抑制効果の評価結果は多分にアメ
リカのトウモロコシ産業の特殊性を反映したものであり,それを単純に他の農産物市場に
当てはめることは出来ない。
図表1 228263-1.gif
図表2 228263-2.gif
カテゴリ とうもろこし 輸出

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