モロッコのヒツジ・ヤギ牧畜の類型化

タイトル モロッコのヒツジ・ヤギ牧畜の類型化
担当機関 農業総合研究所
研究期間 1992~1993
研究担当者
発行年度 1992
要約 モロッコのヒツジ・ヤギの飼養は,牧畜の型としては農牧型および遊牧型に大別され,さらに農業生産および移動の型に従えば6つの形態的類型に,飼料獲得法に従えば4類型に,それぞれ分類できる。
背景・ねらい アフリカの乾燥・半乾燥地域の多くは容易に砂漠化する危険性を有しており,砂漠化の要因の
ひとつに過度の放牧が挙げられている。しかしながら,家畜飼養の実態については不明な点が
多く,農業・牧畜を含む生産活動における資源利用の社会経済的特質と問題点を解明する必要
がある。このため,モロッコの乾燥・半乾燥地域を対象に,牧畜システムの類型化を行い,家
畜飼養経済の視点から牧草資源の利用法を評価し,家畜飼養システムにおける技術的,社会経
済的問題点を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. モロッコの家畜部門で放牧を伴うのは,粗放生産システムに基づくヒツジおよびヤギ飼養であ
    り,その分布は全国に及んでいる(表1,
    図1)。

  2. ヒツジ・ヤギ牧畜のほとんどは,放牧以外に,穀物生産と結合し飼料の一定部分を農業副産物
    に依存する農牧(半農半牧)型であり,その外には,放牧を基調とする遊牧(季節遊牧)型を認め
    ることができる。
  3. 農牧型の分布は,大西洋岸諸州の沿岸から内陸に向かって集約的乾燥地農業型,穀作休閑農業
    型,限界的穀作農業型の3類型が,また遊牧型については,アトラス山脈における山岳季節放牧
    型,サハラ砂漠辺縁での広域放牧型,東北地方のステップ放牧型の3類型が,それぞれ認めら
    れる。
  4. 総合的な飼料獲得方法に基づいてヒツジ・ヤギ牧畜を類型化すれば,放牧型,半農半牧型,飼
    料作農耕結合型,非飼料作農耕結合型となる(図2)。
成果の活用面・留意点 現実の牧畜類型は,家畜飼養者の主体的条件,放牧地の自然的・社会経済的条件,市場・価格
条件,非家畜部門のあり方など,多くの要因によって規定される。個々の牧畜型の決定メカニ
ズムの解明が必要である。
図表1 228266-1.gif
図表2 228266-2.gif
図表3 228266-3.gif
カテゴリ 乾燥 山羊

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