産業連関表によるエネルギー投入の推計

タイトル 産業連関表によるエネルギー投入の推計
担当機関 農業総合研究所
研究期間 1993~1993
研究担当者
発行年度 1993
要約 本研究では、これまで困難とされてきた高次間接エネルギーを含む産業別全投入エネルギーを産業連関表に基づいて推計する新しい方法を提示した。この方法に基づいて1975年から1990年までの産業別投入エネルギーを直接・間接別に推計した。
背景・ねらい 産業別エネルギー投入の推計は、大別して2つの方法によりこれま
でいくつか試みられてきた。1つは生産費調査などに基づくミクロ
的方法であり、もう1つは産業連関表に基づくマクロ的な方法であ
る。ミクロ的な方法では直接エネルギー投入は推計できるものの間
接投入については事実上推計不可能であった。また、産業連関表に
基づくマクロ的な方法は直接分だけでなく概念上は間接分も含めて
推計できるものの、これまで高次の間接エネルギー推計法が不充分
であったため満足すべき結果が得られていなかった。
成果の内容・特徴 本研究で提示されたエネルギー投入推計式は次のとおりである。
  XET=E*(I-A)-1*^X,
XET:産業別エネルギー投入ベクトル、E:エネルギー投入
行ベクトル、
A:エネルギー部門を除く投入係数行列、X^:生産額を対
角要素とする対角行列
推計結果から得られた主な知見は次の通りである。
  1. 全産業の生産額当たり投入エネルギーは減少傾向にあり直接間接比
    率はほぼ直接1に対し間接の2の割合であるが、間接分に比し直接分
    の減少割合が大きい。
    (図1、2)
  2. 農業部門については、直接間接比率はほぼ全産業と同様であるが、
    直接分はほぼ横ばいで推移しているのに対し間接分の減少が著しい
    。農業部門のうち畜産部門については、間接分が直接分の8倍程度
    にもなる。
  3. 一次産業のうち漁業については、直接分が間接分の2倍以上にもな
    るという点で際だって特徴的である。
成果の活用面・留意点 本研究の結果、直接分だけでエネルギー問題を議論する伝統的なミ
クロ的な方法は、極めて不充分な結果しかもたらさないことが明ら
かになった。また、本研究で示された方法は、今後産業連関分析の
環境問題への適用など広範な応用の可能性を示唆している。
図表1 228269-1.gif
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